制度解説

31年度処遇改善加算について今から抑えておくべきポイント5つ

目的:処遇改善加算計画書をもとに、運用方法を正しく理解することです。

「事業所として何を知るべきか?」にフォーカスして解説を試みます。

 背景の詳細は、原典をあたることで理解を深めることができます。

 本稿における参考資料は以下のとおりです。

・障害福祉サービス等報酬改定の検討状況について
障害福祉サービス等報酬改定の 検討状況について(平成30年12月12日))

・障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第4回)
報酬改定検討チーム(30年12月20日)

・2019 年度介護報酬改定に関する審議報告
厚生労働省資料(30年12月26日)

31年には新たな規程が追加されます。具体的な加算届の作成方法は都度追記・お知らせいたします

 

基本的な考え方

制度の趣旨

介護人材不足、他産業との賃金差の解消、介護離職ゼロに向けた職員確保、定着のためです。

 

さらなる処遇改善

リーダー級職員のさらなる処遇改善に特にフォーカスすること。ポイントは「経験・技能のある介護職員」。

 

介護職員以外も支給対象に

介護職員以外の職種にも、一定程度処遇改善を行うことが妥当である。これにより管理者、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、事務員等も対象となりえます。

 

離職防止に向けた取り組みも

介護人材確保の目的が達成されたかどうかとともに、離職防止に向けた取り組みを行う必要がある(詳細はこれから)。

 

⇒介護職員以外が処遇改善加算の支給対象となること。経験・技能ある介護職員を確保していることが1つのポイントになります。

 

加算の取得要件

基本的算定条件

  • 30年体制下の処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを算定していること
  • 職場環境等要件について、複数の取組みを行っていること※
  • ②について、取組をホームページに掲載するなど、見える化を行っていること

 

⇒これまで「職場環境等要件」1つ以上算定できていれば、それで事足りました。

それがこれからは2つ以上クリアすること、そして取組み事例を公表する必要が出てきます。ただし、従来型のⅠ~Ⅲを引き続き算定する場合は、本規定は対象外だと考えられます(311月時点の私見)。

 

加算率の設定

加算率の算定

勤続10年以上の介護福祉士の数に応じて、算定率を設定することが妥当である(詳細なし)。

障害福祉事業の場合は、以下の資料内で対象となる職種が想定されています。

・障害福祉サービス等報酬改定の検討状況について
障害福祉サービス等報酬改定の 検討状況について(平成30年12月12日))

事業所内における配分方法

支給対象者は以下3つに分類されます。

  1. 経験・技能のある介護職員
  2. その他の介護職員
  3. その他の職種

 

それぞれの定義は、以下のとおりです。

 

①経験・技能のある介護職員とは

勤続10年以上の介護福祉士等の有資格者。勤続10年の考え方は、事業所の裁量で設定できる。

 

 

②その他の介護職員とは

経験・技能のある介護職員以外の介護職員。勤続10年以上スタッフ以外の支援員を指します。

 

③その他の職種とは

経験・技能者、その他介護者以外の全ての職。管理者、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、事務員、送迎員も対象となりえます。

⇒経験・技能職員の確保の有無がポイントになります。勤続年数10年が事業所の裁量で決まる、という点がどういう扱いが認められるかは現時点では不明です。事業所の自己責任にもとづく自己申告制、実務経験証明書発行、資格証発行日からの推定などでしょうか(私見)。

具体的な配分方法は

最も重要なポイントです。

①経験・技能介護職員において、月額8万円の処遇改善となる職員、または処遇改善後の賃金が、役職者を除いて全産業平均440万円以上となるものを設定・確保すること。

②経験・技能職員は、平均処遇改善額がその他の介護職員の2倍以上であること。

③その他の職種の平均処遇改善額、その他の介護職員の1/2までに抑えること。

 これだけでは具体的なイメージがわかないかと存じますので、具体例を交えて解説いたします。

例)その他の介護職員の改善賃金額が平均2万円の場合

  • 経験・技能職員は4万円以上の改善をすること
  • その他の職種者は1万円以内の改善に抑えること

⇒管理者・サービス管理責任者、その他事務員等は大幅な改善を行うことは難しそうです。

また、事務員などで、介護職員よりも給料が低い場合は、事業所判断で柔軟な取り扱いができるものと定められています。

 

障がい福祉事業所として今のうち抑えていただきたいこと

①処遇改善加算の運用計画をより入念にたてる必要がある

職種によって、処遇改善加算の配り方が異なってくるため、誰にいくら配るのか?配ったのか?を正確に把握していく必要があります。

「この基本急改善、保育士手当が、実質処遇改善加算なんです」ということをいうのは厳しくなるということです。

したがって、今後は「処遇改善加算手当」「賞与(処遇改善加算)」などとして、あとから記録を振り返りやすいように支給することをお薦めします。

 

②できれば人事評価システムを導入すること

小規模事業所の場合だと、経営者。管理者の裁量で処遇改善加算の支給額を決定することもあるかと存じます。新型処遇改善加算を算定する場合、当然金額もそれなりに大きくなりえます。

どういう条件をクリアしたらいくらもらえるのか?をきちんと見える化していく必要があります。

ただし義務ではないため、導入が難しければ見送っていただいても構いません。

 

③職場環境改善要件は有限実行で

これまでは「計画=実施します」という記載のみでよかったものが、きちんと計画どおりに職場環境を改善することがルール化されていきます。また、2つ以上の要件を満たさなければなりません。※地域によってはすでに提出資料を求められております

 

まとめ

以上となります。あえて最初は新型の加算類型は狙わない、ということも戦略としてありえるかもしれません。

ただし、介護人材の確保、職場定着率改善による事業運営力向上のためにも、受けられるものは受けるに越したことはありません。

導入の検討をする場合は、よろしければ弊所へのご相談もご検討ください。

 

ABOUT ME
吉川彰太郎
障害福祉施設の開業、運営コンサルティングに特化した行政書士です。 障害児者やその家族の人生を支えるべく、事業所がより質の高いサービスを提供できるよう様々な情報発信を行います。

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