放課後等デイサービス・児童発達支援

【放デイ】延長支援加算の算定方法と導入メリット考察

本稿の要約

1.営業時間は8時間以上必要

2.営業時間前後でのサービス提供が必要

3.延長時間帯は、児童指導員または保育士を1名以上配置すること

4.延長時間ありきの運営になる場合はサービス時間帯の見直しを求められる可能性あり

5.「やむを得ない理由」が必要で、原則、相談員の作成する計画案による

6.提供には加算届が必要

延長支援加算

8時間以上営業している事業所が、営業時間外に利用者を受け入れて支援を行った場合に算定できる加算です。

 

支援スケジュールの例

10時~18時の、8時間営業の事業所の場合は、↓赤字部分が加算対象となります。

受入れ時間数によって、報酬額が変動します。

XX:00~10:00(営業前)       ⇒ 加算対象の時間帯

10:00~18:00(営業時間)  ⇒ 通常のサービス提供

18:00~XX:00(営業時間後) ⇒ 加算対象の時間帯

 

 

延長支援帯においては、児童指導員等の資格者を1名配置すること、と定められています。

(複数児童がいる場合は、可能な限り支援に支障がない配置を心がけてください)

 

報酬額

10名事業所の場合は、1回の提供あたり約610円、920円、1230円です。

詳細は以下の表をご確認ください。

対象者 / 時間 x<1時間 1≦x<2時間 2時間≦x
障害児 61 92 123
重症身心障がい児 128 192 256

(単位)

採算について

①月に4回、1回あたり1.5時間、2人受入れを行った場合(月8回提供)

92単位×地域10円×4回×2人 = 7,360円/月

「パート人件費」@1,000円 / 1名配置
1.5h×1,000円×4回 = 6,000円/月

「利益」
7,360円-6,000円=1,360円/月

 

②1回あたり1.5時間の受入れ

92単位×地域10円×1人 = 920円/回

「パート人件費」@1,000円 / 1名配置
1.5h×1,000円 = 1,500円/1.5h

「利益」
920円ー1,500円=-580円/1.5h

ここから分かるように、利益を出すための加算ではありません。

どうしても、という場合は役員報酬者かつ資格者が延長支援に入れば人件費を浮かせられるかもしれません。

なんらかの事情によって、すでに営業時間外の利用者受け入れを行っている事業所様は、導入を検討してみてください。

 

加算導入のポイント

営業時間は8時間以上必要

営業時間が8時間以上ないと、そもそも本加算の対象外です。

 

営業時間前後でのサービス提供が必要

「サービス提供時間外(児童がいない)」時間帯であっても、営業時間内であれば、本加算の対象外です。

 

延長時間帯は、児童指導員または保育士を1名以上配置すること

「直接支援員に限る」と記載されています(報酬p.1146)。

無資格者、管理者、児発管等を配置しても算定できない点に注意してください。

 

常態的に延長受入れを行っている場合

延長サービスありきの運営になっている場合は、実地指導の際にサービス時間帯の見直しを求められる可能性があります。

その場合でも、返金処分を受けることは考えられにくいです。

 

提供には「やむを得ない理由」が必要

やむを得ない理由として、以下の2つが想定されています。

  1. 子育て支援施策で、障害児の受入れができなかった場合
  2. 保育所等を利用していても、通所が必要だと認められた場合

その他の場合はケースバイケースですが、原則的に相談員の作成するサービス等利用計画案に基づきます。

(認められている自治体であれば、セルフプランも可)

計画を更新したばかりであっても、柔軟に取り扱っていいものとされています。

この点は市町村の判断を仰ぐことが望ましいです。

 

事前に届け出ること

提供には、あらかじめ加算届の提出が必要です。

勝手に実施して勝手に報酬算定しないよう注意してください。

 

記録は任意の様式

最もシンプルな方法は、日報に以下の事項を記録することです。

  • 延長支援を行った旨
  • 時間帯
  • 担当者
  • 児童
  • 受入れ時の様子

 

よくあるご質問

児童の利用時間が8時間未満であっても、延長時間帯に支援を行ったら加算が算定されるのか

加算が算定されます。

「営業時間が8時間以上」が要件であり「児童の通所時間が8時間」ではないためです(30-報酬p.1174)。

個別支援計画の記載ルールについて、詳細を教えてほしい

障害児相談支援事業者が作成する利用計画案に「やむをえない事由」であることを記載されている必要があります。

セルフプランの場合でも、同様の記述によって加算の要件を満たすことができます。

また、計画を更新したての児童の場合は、次の給付決定がなされるまでは本記述要件については柔軟な取り扱いとしてもいいものとされています。

(30年報酬ハンドブックp.1206)

 

まとめ

長期休暇時など、イレギュラーな受け入れをすることも多くなります。

「営業時間外に受け入れているけど、良く分からないから算定していませんでした」という事業所様も多いかと存じます。

直接的に利益を出す性質の加算ではありませんが、延長支援を行っているのであれば、導入を検討してみてください。

 

参考

事業者ハンドブック(報酬編) p.1146 問103
事業者ハンドブック(報酬編) p.1177 問64,65,66

 

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