制度解説

新基準での放デイの運営ポイント総まとめ

指定申請時の行政からの指摘事項や、集団指導の資料等をもとに、新基準に関する情報をまとめ直しました。本記事を読むことで、基準に則した事業所の運営方法と、今後の動向が分かるようになります。

加算のまとめ

30年度における各障害福祉サービスの加算はこちらをご参考ください(サービス随時追加予定)

・放課後等デイサービス、児童発達支援

 

人員基準について

児発管について

介護・福祉分野での実務経験のうち、3年は児童、障がい者、障がい児施設での実務経験が必要となりました。これまでどおり1年あたり180日以上の経験が必要です。

既存の事業所も新基準の対象となります。平成29年度末までは現在の人員配置でも大丈夫です。しかし、期限を過ぎても基準を満たせなければ、児発管欠如減算(30%減額)や指導対象となり、解消されなければ指定の取り消しを受ける可能性もあります。

よくある質問

Q.29年度末までで3年の障がい、児童分野での実務経験を満たせない児発管はどうなるのか
A.児発管として働けなくなる可能性が高いです(愛知県)
※この条件については、改正内容がまだ確定していないため変更になる可能性もあります。

Q.3年の実務経験があればいいのか
A.実務経験はこれまでどおり、3~5年以上(無資格者は10年以上)必要です。このうち3年は、障がい・児童分野での実務経験が必須となりました。(資格)、実務経験、研修の受講、これらの条件を満たして正式に児発管として勤務できます。

Q.児発管が辞めることになった。どうしたらいいのか。
A.児発管の辞めた月の翌月末までに新しい児発管を雇用します。それまでに児発管が見つからなければ減算処理を行います。具体的な減算処理は下記のとおりです。

  1. 児発管が辞めた月の翌月末までに新しい児発管が見つからなかった ⇒ それ以降の月は人員欠如減算(30%減算)を行う
  2. 児発管がいなくなった月から、新しい児発管が見つかるまで ⇒ 個別支援計画未作成減算(5%減算)を行う。児発管専任加算を解除する(205単位)

もちろん早急に新しい児発管を探さなければ指導や指定取り消しの対象となる可能性もあります。

Q.1店舗目の児発管を、新規で立ち上げる事業所に配置転換したいのですが
A.新規事業所の立ち上げにあたっては、既存の児発管も障がい・児童分野で3年の実務経験がなければ、配置できません(児発管研修まで受講していても同様です)。

 

従業員について

既存の事業所の場合

サービス提供時間中に、常に2人は保育士か児童指導員がいなければなりません。既存の事業所は平成29年度3月末までの猶予期間があります。期限を過ぎても基準を満たせなければ、人員欠如減算(30%減額)や指導対象となるでしょう。

これから立ち上げる事業所の場合

申請の段階から上記基準を満たさなければいけません。また、資格者が2名ギリギリの場合は注意が必要です。子どものいる時間帯に資格者のうち1人が休憩をとると人員欠如とみなされるからです。

行政の担当者によってはこの問題が解決するまで書類を受け取ってもらえないこともあります。どうしても資格者が集まらない場合は

①平日、学校終了後のみの運営とする(児童が1日中利用する土日祝日は営業しない)

②サービス提供時間外に休憩をとる

などの工夫が必要です。ただし②については、業務日報やタイムカードでの打刻などを使って、必ず児童のいない時間帯に休憩をとっていることを書面で残しておきましょう

そうでなければ、指導に入られたときに厳しい指摘を受ける可能性があるからです(いくら口頭で「ちゃんとやってる」と説明しても、書面が残っていなければアウトです)。

よくある質問

Q.あらためて従業員の基準をおしえてほしい
A.児童指導員、保育士または障害福祉サービス経験者のうち半数以上は児童指導員または保育士でなければならない

Q.つまり?
A.放課後等デイは2名以上サービス提供時間中にスタッフがいなければならないが、そのうちの半数以上、つまり1人は保育士、児童指導員のどちらかでなければならない

Q.作業療法士や理学療法士は人員配置基準に含められるのか
A.はい。新基準に必要な人員の中に含められます。

Q.今回の規定は児童発達支援は対象ですか
A.今回は早急になんとかするべきだ、という観点から放課後等デイだけの改正になります。ただ児童発達支援も同じ流れになる可能性が高いでしょう。

(参考:https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160345&Mode=2

 

Q.愛知県の見解は?
A.毎日、サービス提供時間中には必ず2人保育士または児童指導員がいなければならない。休憩などで片方が欠けたらアウト。

Q.児童指導員等の要件をざっくり教えてほしい
A.主に

  1. 社会福祉士、精神保健福祉士をもっている人
  2. 大学で「社会福祉学」「心理学」「教育学」「社会学」などの学科を卒業した人
  3. 高等学校を卒業して、2年以上児童福祉事業で働いた人(中学校卒業のみなら3年以上)
  4. 小中高、いずれかの教員免許を持っている人

が、対象です。証明するには資格証や卒業証書のコピー、実務経験書などを用意します。実務経験に関しては2年以上であるとともに年間あたり180日以上の勤務日数が必要です。

実務経験については「児童福祉事業」のみです。就労継続支援施設などの“障がい者施設”で2年以上働いていたからといって、児童指導員の要件は満たせません。

また、愛知県では中卒者は実務経験によって児童指導員になることはできません。資格要件を満たすなどによるしかないでしょう。児童指導員ではなく、ヘルパー2級+実務経験5年以上(うち児童福祉3年)で児発管になるなどのルートが考えられます。

Q.無資格の指導員はどうなるのか。新しく雇い入れることはできないのか
A.できます。が、新基準では有資格者の配置が条件に加わったため、無資格者を配置しても基準を満たせなくなりました。

Q.指導員加配加算は?
A.これまでどおりの取扱いのままです。有資格者を配置するか、無資格者を配置するかでもらえる加算が変わります(児童指導員等加配加算or児童指導員等“以外”配置加算)

 

情報公開制度

①会社情報の公開について

支援内容や会社の運営実績をHPなどで公開することを、県から事業者に促していくことになります。必ずそうしなければならない、という段階までは進んでいないようです。

支援内容、賃借対照表、損益計算書について都道府県に情報を提供し、事業者HPなどで公表することになる。都道府県は支援内容、人員配置、職員の資格、財務諸表について公表することを事業者に促すことになる。
(全国放課後連)

②自己点検票の公開について

放課後等デイサービスの質の向上を目的として、指定放課後等デイサービス事業者に対してサービス内容の自己評価および保護者評価、改善内容の公表が義務化されます。

会社の財務を公開するということは、“保護者から見て”運営がぎりぎりだと判断された事業所は、マイナスの口コミによって利用がさらに遠のくことになりそうです。健全な財務体質での運用が求められます。

よくある質問

Q.自己評価はどんな場面で必要になるのか
A.実地指導の際に提出を求められたり、自己評価表にもとづいて実地指導が行われるようになりそうです。

 

まとめ

児童指導員については、現在の事業所での実務経験をもって2年満たすことによってカバーできる事業所が多いでしょう。人員配置が整うまでは土日祝日の運営を見送る事業所などもあるようです。

児発管については、介護分野の実務経験だけでは要件を満たせなくなる可能性が高いです。障がい、児童、介護、いずれの条件も満たしている資格者って果たしてどれだけいるのでしょうか。

せっかく取得した児発管の資格が使えなくなるのはあまりにも厳しい措置なため、なんらかの緩和策を設けてほしいところですが。

事業所の情報公開に関することは、今後の通達や告示を待つのみとなります。新しい情報があり次第、随時加筆していきます。

新基準での人員配置にあたって、有資格者配置加算や、児童指導員等配置加算の取得をできる事業所もあるかと思います。それらに関しては下記で解説しておりますので、よろしければご参考ください。

1記事で理解する、指導員加配加算を導入するメリットと注意点

 

ABOUT ME
吉川彰太郎
障害福祉施設の開業、運営コンサルティングに特化した行政書士です。 障害児者やその家族の人生を支えるべく、事業所がより質の高いサービスを提供できるよう様々な情報発信を行います。

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