制度解説

名古屋市におけるグループホームの開設方法

名古屋市で共同生活援助(グループホーム)を開設するための要点をまとめました。

本記事では、指定申請実務にフォーカスした内容を記載します。

制度に関する総則的事項は、以下の記事をご参考ください。

・障がい者グループホームの開業について

 

事前確認事項

指定申請先

・受付日
土、日、祝日等閉庁日を除く毎日

・受付時間
原則、午前8時45分から午後5時30分まで。基本的には以下の時間帯に基づきます。
1.午前10時00分から午前12時00分まで
2.午後1時15分から午後3時15分まで
3.午後3時15分から午後5時15分まで

・受付場所
健康福祉局障害福祉部障害者支援課指定指導係(指定担当)(名古屋市役所本庁舎1階)

・電話番号
052-972-3965

 

本稿では、指定申請のための基本的な流れを説明します。

これから法人を設立する方は、以下の記事をご参考ください。必要に応じて、司法書士をご紹介することもできます。

・定款の作成方法

・登記手続きの基本

 

新規参入事業者の研修受講について

障がい特性、障がい福祉サービスを理解しない事業者の参入を防ぐため、

名古屋市においては、新規参入事業者は事前研修を受講する定めになっています。

毎月ごとに開催されていますので、期日までに申し込みをしてください。

以下のページから、研修予定を確認できます。

・ウェルネットなごや

 

名古屋市障害福祉サービス事業新規参入者研修

初めて障害福祉事業に算入する事業者様は、所定の研修を事前に受ける必要があります。

  • 受講必須:初めて障害福祉事業を始める事業者(代表、管理者。法人設立前は代表予定、予定管理者者)
  • 受講料:2,000円/1事業者
  • 講義:午前(3 時間) 講義 / 午後(1 時間程度) 施設見学
  • 講義の内容:身体障害、知的障害、精神障害及び発達障害について各障害の特性 / 障害福祉サービスの制度概要等
  • 名古屋市障害福祉サービス事業新規参入者研修の受講について
  • 書類の郵送先:〒460-8508(住所不要) 名古屋市健康福祉局障害福祉部障害者支援課 指定事業係

 

事前予約

指定申請の前に、事前相談の予約をとります。

部屋割り、サービス管理責任者の資格要件、指定申請、訪庁予定日時、法人名、人数2名まで)、連絡先 等

※行政書士のみでの事前相談・申請代行はできません(名古屋市方針)

 

書類作成のポイント

指定申請書類の作成にあたって、あらかじめ押さえておくべきポイントです。

  • A4サイズで作成します。A4サイズを超える場合はA3印刷で、半分折りにしてください
  • 受理の見通しが立った段階で、申請書類を正副2通作成してください
  • 単一書類で複数ページに渡るものは、左側をホチキスどめしてください
  • 表紙やインデックスは不要
  • ファイリング用の穴はあけないこと
  • 「必要書類一覧」の順に並べること
  • 法人登記簿、実務経験証明書はコピー+原本証明でも可(ただしカラーは避けること)

 

【補足】

原本証明についてはこちらをご参考ください

・押印作業のまとめ

 

名古屋市におけるグループホーム開設手順

基準を満たしているかどうか不明確な場合は、事前に名古屋市障害者支援課や障害福祉事業を専門とする行政書士に相談してください。

名古屋市における申請に必要な書類一覧は、以下をご参考ください。

・申請書類一覧(H30.8.10変更)

 

①設備要件のポイント

名古屋市におけるポイントを交えながら解説します。

・有効面積について

建築図面には指定基準上の部屋の名称(訓練室・作業室、多目的室)や部屋の有効面積を記入してください。

名古屋市においては、固定棚などの備品分は、有効面積から除外して算定します。

 

・既存の建物を事業所として使用する場合

既存建物を事業所として使用する場合は、自己所有/賃貸を問わず、建築基準法に適合している必要があります。

規定の詳細は、名古屋市住宅都市局建築審査課又は民間の指定確認審査機関などでご確認ください。

※この確認については、申請書類「事前調書」に記載するため、必ず記録を残してください。

設備については、障がい者の特性に配慮した備品を設置します。

 

・建物が消防法に適合すること

既存建物を事業所として使用する場合、新たに消防設備の設置等が必要になることがあります。

必ず事前に名古屋市内担当地区の消防署で確認したうえで防火対象物使用開始届を発行してください。

内装業者等をご紹介いたします。

※この確認については、申請書類「事前調書」に記載するため、必ず記録を残してください。

 

・地域連携の合意を得ること

名古屋市でグループホームの指定を受けるためには、地域連携の合意を得る必要があります。

方法:説明会の開催 / 近隣への戸別訪問   日時 / 相手方氏名(町内会長、近隣住民○○さん等)

※物件を契約する前に、必ず合意を得てください

 

②人員基準のポイント

ここではグループホームにおけるスタッフ配置基準のポイントを説明します。

・サービス管理責任者

新規で指定を受ける事業所は、事業開始後1年間は、実務経験(および所定の資格)を満たした者については、サービス管理責任者の要件を満たしているものとみなして配置できます。

30分以内の移動距離間の住居を担当します。

※開業後1年以内に、サービス管理責任者研修、相談支援従事者初任者研修等の資格を受講してください

※いずれかの障害福祉サービスのサービス管理責任者の研修を修了している場合は、事業開始後3年間は、すべての障害福祉サービスの研修修了の要件を満たしているものとみなします(兼務規定)

 

・世話人

世話人の配置割合によって、算定できる基本単価が設定されます(4:1、5:1、6:1など)。

 

・生活支援員

障害区分3以上の利用者を配置する予定がある場合は、生活支援員を配置してください(区分6⇒2.5:1、区分5⇒4:1、区分4⇒6:1、区分3⇒9:1など)。

・夜間専従者

人員基準上配置必須な職種ではありません。

夜間従事支援加算を算定する場合は、夜間専従者や宿直職員を配置してください。

支援対象者の数によって、算定加算が変わります。

 

・補足

その他、人員配置に関する規定は以下のとおりです。

  • 世話人、生活支援員については、起床から就寝までの時間について必要な数配置すること
  • 複数のホームを少数の世話人で配置する場合、10分程度で移動できる距離に1人以上配置すること
  • 夜間職員を配置しない場合、緊急時対応について利用者の分かりやすい位置に掲示すること
  • 利用者の安定的な生活のため、可能な限り各住居ごとに専従の世話人を配置するよう努めること
  • 利用者の体調に急変があった場合に備え、関係機関との連絡体制をとること  等

 

③運営基準

・定員規定
  • 事業所定員:4名~(ホーム全体)
  • 新規建物の場合:2~10名(ホーム全体)
  • 既存建物の場合:2~20名(ホーム全体)
  • ユニット:2~10名(1住居)
・定員規定の例
  • マンション等において共同住居、ワンルームタイプが同居する場合は、本定員規定を超えないように設置すること
  • マンション等以外の場合において、入口が別々にある場合は、異なるホームとして設置可能
  • 隣接地域、同一敷地内においては30名まで入居定員の合計にできる(名古屋市独自基準)
・サテライト住居

サテライト住居については、1ホームにつき2つまで設置可能(本体ホームから20分以内の移動距離)

4名定員以下のホームの場合は、1つのみ設置可能

サテライト住居 ⇒ 障がい者の1人暮らしのようなイメージです

 

名古屋市における用語定義

・マンション等

マンション、アパートなどで、共有部分(階段、廊下など)を有するもの

・マンション等以外

マンション、アパートなどで、共有部分(階段、廊下など)を有しないもの

・「新築」と「既存」

既存⇒竣工より1年以上経過した建物。

土地所有者がグループホームの用途を目的として建物を新築し、グループホームを運営する事業者に賃貸する形態(いわゆる建て貸し)は、竣工後 1 年間は新築とみなす。

 

関係法令の遵守

・消防法

一定以上の障がい支援区分の利用者が入居している場合、防火管理者の選任、消防計画の作成、避難訓練の実施等が義務付けられます。

また、一定の条件にあたる場合を除き、自動火災報知設備や消防機関へ通報する火災報知設備、消火器及びスプリン
クラー設備が義務付けられます。

集合住宅を利用して事業を実施する場合は、住宅の規模によって建物全体の消防設備に変更が生じる場合があります。

物件契約の段階において必ず所轄の消防署に確認のうえ、必要となる防火対策の具体的な内容について対策を講じること。

 

・建築基準法

既存の建物を利用する場合、建築基準法により建物の用途変更が必要となる場合がある。

改修工事が必要となる場合もあるため、事業を行う際は、事前に必ず建築部局の担当部署(名古屋市の場合は、住宅都市局建築審査課)に確認すること。

 

日中活動系事業とグループホームの同一敷地内での開業

グループホームのニーズが高まる一方、名古屋市内においては土地の確保が難しい現状にあります。

また、障害者の高齢化・重度化など社会的課題が深刻化している状況を踏まえ、一定の条件の下、就労継続支援などの事業所と同一の敷地内に、グループホームの併設が認められます。

  • 事業所の出入り口がそれぞれ別であり、一度外に出なければ事業所の行き来ができないこと
  • 利用者に対して、併設された事業所を使うことのないよう説明すること
  • 利用者に対して、併設事業所の利用を強要、勧奨しないこと
  • 「併設事業所の誓約書」を提出すること
  • 高齢かつ重度の障害により、移動に困難を伴う利用者が強く併設事業所の利用を求める場合は利用可

 

以上となります。

その他の事項は以下の記事をご参考ください(随時追記していきます)。

グループホームの開業について

 

 

ABOUT ME
吉川彰太郎
障害福祉施設の開業、運営コンサルティングに特化した行政書士です。 障害児者やその家族の人生を支えるべく、事業所がより質の高いサービスを提供できるよう様々な情報発信を行います。

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