制度解説

障がい福祉事業開設に至るまでの工程まとめ

30年8月リライトしました。

新規事業開業

新規事業開業に関するコンサルティングは、noteにて発信いたします。

よろしければご参考ください。

 

事前計画

障害福祉事業の選定・情報収集

インターネットでの情報収集が有効な、障害福祉事業について「なんとなく」のイメージを掴む段階です。

経営者会・商工会議所等へ参加することで、事業経営者様と人脈を築くことをお薦めします。

関係を構築できれば開業アドバイスや資格者を紹介して頂けることもあるためです。

本段階においては、開業・運営ポイントを把握するために、フランチャイズ会社やコンサル会社様が開催するセミナーに参加するという選択肢もあります。

・開業支援業者の使い方(フランチャイズか、独立開業か)

 

熱意のある方はボランティアやアルバイトをとおして現場実務を学ぶこともあります。

 

「まだどの障害福祉事業をやるのか、決まっていない」という場合は、以下の記事をご参考ください。

ご自身の過去の経験、関心ある分野、ニーズを見込める分野を選定していきます。

・障害福祉事業一覧

 

【補足】障害福祉事業に関する学習方法について

事前に開業予定の事業に関する書籍を数冊購入して読むことを薦めます。

「教科書通りのお勉強」をする必要はありません。

気になるところをさっと流し読みする程度で充分です。

入門書~専門書を10冊程度購入して読み漁ると、多角的に事業内容を考えられるようになります。

 

 

 

指定基準、報酬体系を学ぶ

運営基準、許可基準、実務を理解したほうが、事業所見学の際に良い質問、多くの気づきを得られるようになります

記事一覧を作成いたしました。

この段階で全てを理解する必要はありません。関心のある事業をご確認ください(随時更新予定)

 

【補足】事業者ハンドブックについて

人員基準、報酬体系に基づいた事業計画を作成する段階では、必ずハンドブックと自治体手引きを使ってください。

ハンドブックは毎年に発売され、行政官も本書籍をもとに事業所指定・指導を行われるため、事業者必携の書籍です。

(弊所も毎年買っています)

・事業者ハンドブックまとめ

 

 

 

現状把握

法人格(会社)、従業員・資格者、候補物件、運転資金など、現時点で出来ていることを確認します。

開業・運転資金については、融資込みで800万円~2000万円かかるケースが一般的です。

事業内容や集客速度によっては追加融資も想定してください。

開業予定エリアが決まっている場合は、問い合わせ先一覧を作成することを推奨します。

・問い合わせ先一覧作成のポイント

 

会社設立の際に、どの法人を選択するべきか、という点で悩む時間があれば、手続き上のメリット、デメリットをある程度把握されたしたうえで、自事業と紐づけていったほうが強固な事業形態を築き上げることができます。

もちろん、直接既存の経営者様のもとに足を運んで意見を聞くことができればベストです。

 

自治体ごとに、指定申請に向けた工程が設定されていることがあります。

以下の記事を参考にしてください。

・自治体ごとのローカルルール確認法

事業計画

行政書式に基づいて、事業計画を策定します。

「事業計画書」というと分厚い紙の束をイメージされる方が多いですが、開業実務においては、まずはA41枚程度で構いません。

指定申請に必要な書類として運営規程、事業概要、シフト表、組織図、収支予算書が掲げられることが多いため、それらの書類を活用しても構いません。

収支予算書作成の段階で運転資金が必要であれば、創業融資の申請を検討してください。

基本的には、開業の目途がたった時点で融資を受けることができます。

 

事業計画に関するコンテンツ

・「どの法人を選択するべきか」で悩むのは今すぐ止めるべき理由

・収支予算書の作り方(note)

 

 

事業内容の検討

申請に直接影響する事項ではありませんが、個別支援に沿った利用者様支援を実行するための、1日の流れを考えます。

A4用紙1枚程度でも構いません。

選定事業によって抑えるべきポイントは様々ですが、面倒な書類手続きは可能な限り効率的に済ませ、本工程に充分な時間をかけることが重要です

 

 

集客計画の策定

申請に直接影響する事項ではありませんが、この工程にどれだけの時間・労力をかけられるかで事業の成否が大きく左右されます。

A4用紙1枚程度で構いません。目標とする集客数を明確にしたうえで、どのような手段でどう周知をしていくかを検討します。

事業内容が地域のニーズをとらえたものであり、かつ適切な形で認知させることができれば集客速度は早まるため、地域調査に基づいて入念に検討することを推奨します。

事業内容や、メンバーのスキル、開業地域、開業までの猶予時間、予算等によってできることは大きく変わってきますが、可能な限りコストを抑えることを推奨します。

 

 

役割分担

事業開業においては申請書類作成、物件選定、事業内容の策定、採用活動,集客計画など、かなり多くやるべきことがあります。

管理者候補、サービス管理責任者候補者など右腕として開設を手伝ってくれる方を探しましょう。

予算や希望する支援内容によってはフランチャイズ会社やコンサルタントへの依頼も視野に入れます。

この場合は、どれくらいの予算でどの範囲までのサポートを希望することがポイントです。

どこに依頼するにしても「お金を払って自分でやりたくないこと・できないことを全てやらせる」という発想では、失敗する可能性が高まることだけ念頭においてください。

 

 

指定窓口・自治体スケジュールを確認する

開業エリアがおよそ決まれば、申請先の自治体を抑えます。

作成した書類と自治体が異なっていた場合は書類作成も2度手間になるため、必ず指定申請書類を作成する前に申請先を確認してください。

あわせてこの段階から、運営後に必要な法定書類を揃えていくことを推奨します。

(審査期間中は営業活動や事業内容の作り込み、勉強会などに時間をかけるためです)

指定申請に必要な書類や事前に抑えておくべきポイントを把握したうえで、開業計画を進めていきます。

通常6カ月程度、慎重に計画立てる方の場合は1年程度時間をかけることもあります。

 

 

事前説明会の参加

事前説明会の参加を義務付けられていることがあります。

必ず指定申請を担当する自治体HPで確認してください。

申し込み期日が設定されていることもあるため開業スケジュールがずれないよう注意してください。

 

 

会社設立

法に定められた障害福祉事業を実施する場合、個人事業ではできないため会社を設立します

設立の段階で正しく事業目的を記載しなければ許可をとれない点にご注意ください。

物件の契約時や口座開設、採用活動時には会社名義で契約することになるため、あらかじめ設立することを推奨します。

株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人等での開設が一般的です。

 

 

ニーズ調査

候補エリアが決まった段階で、ニーズ調査を行います。予定する事業で良いかどうか、場合によっては他事業への切り替えを検討します。

統計調査、既存の事業者様、相談支援所、地域会の訪問によりサービス内容を練り上げていきます。

聞き取り対象によっては、各々が好き放題言うだけで終わる可能性があるため、自身で仮説や軸をもったうえで計画を詰めていきます。

 

 

物件選定

100%条件に合う物件が見つかることはありません。「まあまあな物件ありきで、その地域でどのような戦略を立てていくか」考えることを推奨します。

許可基準と自治体のルールを踏まえたうえで、優先順位・線引きを決めたうえで物件を探すようにすると芯をぶらさずに済みます。

事業開始時は可能な限り低コストで始めるべきであるため、賃貸物件もしくは自己所有物件での開設を推奨します。

障害福祉事業経験があっても、初めて取り組む事業については可能な限り物件の購入・新築は避けたほうが良いです。

 

物件の要件確認

面積基準・部屋割り等の許可基準および自治体の掲げる基準に合っているかどうかを確認します。

(自治体基準:都市計画法、建築基準法、消防法、周辺住民承諾、耐震基準、採光・換気基準など)

自治体との事前協議のために検査済み証、平面図、賃貸借契約書の有無を不動産管理会社に問い合わせてください。

消防設備の手配、用途変更手続き等を進めていくために、内装工事業者様や建築士先生と提携します。

 

 

物件の契約手続き

物件が要件に適合することの確認を取り次第、物件の契約手続きに着手します。

原則開業不可のエリア(市街化調整区域)で開業する場合は、物件の購入・契約手続き、銀行融資等の手続きに移ります。

必要に応じて内装業者や建築士に依頼をして用途変更手続き、消防手続きを行います。

 

 

内装工事

内装工事の完了月次第で、およその開業月が明らかになります。

開業月が確定することで、営業活動をするための審査機関、営業ツール作成等の具体的なスケジュールをたてることができます。

内装工事完了後、必要な備品を設置したのちに、建物の内観・外観の写真を撮影します。

※備品(固定電話・ファックス、プリンター、消火器など消防設備、鍵付き書庫、療育、支援に必要な備品など)

 

物件に関する詳細はこちら

・物件の要件確認手順

・物件選びのポイント

 

採用活動

誰をいつまでに採用するか、いつから採用するか検討したうえで、必要な人員を確保します。

資格者は職種に応じて研修の受講、資格証の確保、実務経験証明書の収集などの工程が発生するため、採用活動は早めに着手してください(ツテなどの縁故>求人媒体への掲載、求人活動等)

実務経験証明書の手配は、過去の事業所に連絡をとって取得するために、収集完了までに1週間~3週間程度かかるとみてください。

サービス管理責任者等の研修は1年に1回しかないため、自治体での研修を申し込みそびれた場合は、他県の研修を申し込みます。

研修の受講が間に合わない場合は「1年以内に研修を受講する」ものとして、指定申請に移ります。

 

 

指定申請書類の整備

指定申請窓口が所定する書面一式を整備していきます。

(雇用契約書、履歴書、実務経験証明書、研修受講証、資格証、秘密保持誓約書、医療機関協定書など)

 

 

 

指定申請

指定申請のためのアポイント

どの自治体も混雑している傾向があるため、指定申請月前月末までには指定申請のアポイントをとります。

例:12月に開業したい場合 ⇒ 10月中に書類提出 ⇒ 9月中に自治体へアポイントを設定する等

 

行政書士への依頼にあたって

「ただ文章作成を代行させるだけ」か「開業に向けた一連の流れのサポートを受けたいのか」等によって、行政書士へ依頼するタイミングや費用は異なります。

障害福祉事業を専門とする行政書士を活用する場合は、開業段階から依頼したほうがサービスを効果的に活用できます。

手続きを得意とする行政書士の場合は、収集書類を用意して、事業内容も固めたうえで依頼をすることで費用を安価にできる可能性があります。

 

 

指定申請書類の作成・加算届の作成

内装工事まで完了したうえで、自治体が指定する諸手続き、収集書類、作成した書類をもとに指定申請を行います。

全ての工程を完了させることで書類受理(提出完了)に至ります。

特に許可に関する事項が間に合わなかった場合、申請の受付が翌月に延びる可能性があるため注意してください。

この場合は書類の大幅な修正、人件費、物件賃料が発生するため、可能な限り指定申請月以内の書類提出を目標としてください。

 

 

審査期間

一般的に、月の中旬以降に行政官による現地訪問があります。スケジュール等によっては省略されることもあります。

原本類がきちんと保管しているかどうか、内装で虚偽な点がないかを主にチェックされます。1時間もせず完了することが一般的です。

 

 

集客活動

「〇月1日開所予定」という触れ込みで、営業活動を行うことができるようになります。

事前にご挨拶に伺った事業者様への再訪問やイベント、セミナーの開催、各地訪問等により見込み利用者を確保していきます。

 

 

内装の作り込み・実務研修

内装・装飾の作り込みや1日の流れの策定を行います。

1日の流れのチェック、利用手続きのロールプレイングや提供サービスの作り込みを行うことで、スムーズな受け入れ態勢を整えます。

ボランティアとして受け入れをしてくれる事業所様があれば、ボランティアにより現場感覚を学ぶことをお薦めします。

 

 

事業許可の取得

開業

毎月1日付けで営業開始となります。開業後に請求ソフトの登録作業を行っていきます。

計画どおりに実現していくことは稀であるため、計画と現状を比較したうえでリカバリーを行います。

事業所の認知には時間がかかるため、最低半年分程度は運転資金を確保しておくことを推奨します。

 

 

免責規定

  1. 全ての工程を記載している訳ではありません。
  2. 記載内容によって損害が発生したとしても負いかねます。
  3. 自治体によって必要書類は異なることがあります。

 






ヒアリングシートの添付など

ABOUT ME
吉川彰太郎
障害福祉施設の開業、運営コンサルティングに特化した行政書士です。 障害児者やその家族の人生を支えるべく、事業所がより質の高いサービスを提供できるよう様々な情報発信を行います。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)