30年度障害児通所支援QandAの要約です。
・読み手の対象
障害児通所支援事業の管理者層の方
・目的
30年度の運営基準・加算に関するQAの要旨を把握すること
対象外の部分は読み飛ばして頂いて構いません。
気になるところから読む
30年度 報酬改定に関するQ&A vol1
問95 児発管について、みなし期間が過ぎたあとはただちに指定を取り消さなければならないのか
取消不要。
ただし人員欠如減算が適用されるため早急に体制を整えること。
改善指示に指導に従えない場合は指定の取り消しも検討すること。
補足
児発管不在での指定取り消しの実例は聞いたことがありませんが、このような記載が明記されています。
不在月当月から個別支援計画未作成減算適用、翌月末までに新児発管を配置できなければ3割減算も適用される点にご注意ください。
問96 児童・障がい3年の実務経験のない、研修済み児発管は再度研修を受ける必要があるのか
介護畑出身の研修済み児発管は実務経験さえ満たせば、再度の研修受講は不要。
補足
不在の旨の変更届を提出している事業所様は、実務経験書などとともに、再度変更届を提出する必要がありそうです。
(該当する事業所様は要確認)
問97 実務経験をクリアしていない児発管が作成した計画書は、30年4月1日以降は当月から計画書未作成減算の対象となるのか
計画の見直し期間(最低6カ月)が過ぎるまでは、未作成減算の対象とならない。
補足
例
実務要件未達の児発管が30年3月に作成した計画書 ⇒ 30年8月までは有効。9月から未作成減算適用。
問98~問100 居宅訪問型児童発達支援(新制度)
問98 インフルエンザ期など、外出が難しい時期の自宅訪問
医師の意見に基づいて個別に判断すること。
感染症にかかって重症化するリスクが高まる場合には対象となりえる。
問99 訪問支援員が、児童発達支援事業への通所に付き添った場合の報酬算定について
- 児童発達支援事業所が報酬を算定すること ※居宅訪問支援は、居宅で支援を提供する場合に報酬を算定する
- 通所施設移行支援加算の算定は可能
問100 訪問支援員の兼務について
- 管理者、児発管、訪問支援員の全てを兼務することは不可。
- 他事業に支障がなければ、他事業の職員との兼務は可能。
例:児童発達支援事業と居宅訪問型児童発達支援事業の多機能型の場合
⇒サービス提供時間中、児童指導員として配置。サービス時間外は訪問支援員として配置、など。
(以下、障害児通所支援)
問101 看護職員加配加算における医療的ケアの判定は誰がするのか
事業所が行う。ただし、医師の診断書など客観的な判断に基づくことを明らかにすること。
書類がなければ、医療的ケアが必要な児童に含まれない点に注意すること。
問102 看護職員加配は、対象となる児童にのみ算定されるのか
事業所を利用する障害児全員に適用される
問103 児童発達支援と生活介護の多機能型の場合、障がい児と障がい者の数を合算して看護職員加配を算定できるか
合算できる。
問104 自己評価結果の公表方法
届け出によって確認する。届出がなければ減算を適用する。
公表方法は、行政による情報公開制度を活用することも可能
補足
自社ホームページを専用で設けなくとも、障害福祉サービス等情報公開制度を活用することもできます。
問105~106、共生型サービス(新制度)
問105 通所介護と放デイの時間帯を分けて提供することはできるか
同じ場所に同じ時間帯でサービスを提供する。
問106 共生型サービス体制強化加算は児発管や保育士、児童指導員等を配置しなければ算定できないのか
デイサービスのスタッフで、資格要件を満たす者が配置されていれば算定可能。
詳細は報酬告示1-1-注11を参照のこと。
問107 基準該当通所支援事業所の基本区分ⅠとⅡの違いは何か
Ⅱ ⇒ みなし基準該当通所支援事業所 ⇒ 通所介護(デイサービス)の指定をもって、児童発達支援事業の指定を受けたものとみなす。児発管の配置が求められない。
補足:(みなし)基準該当通所支援事業所とは
市町村の認定により開設する通所支援事業です。要件が指定申請よりも緩やかな点に特徴があります。
問108 (事業所内相談支援加算)障害児の同席は不要か
同席することが望ましいが、別室で支援を受けることも可能。
相談支援を行う職員は、その時間帯は児童指導員、保育士、サービス経験者として配置できない
補足
児童発達支援管理責任者による対応可。事前の加算届不要(静岡県27年度質問回答参考)
個別支援計画を作成するための事業所訪問は、相談援助として認められなかったケースがありますので、記録には注意をしてください。
問109 (欠席時対応加算)A事業所を休んでB事業所に通所した場合の、報酬の取扱について
通所のあったBは報酬を算定する。Aは算定不可。
理由:欠席時対応加算の趣旨は急病等による利用中止を想定しているため。
問110 (特別支援加算)児童指導員等加配加算と特別支援加算は同時に算定できるのか
児童指導員等加配加算「専門職員」として、理学療法士等を配置している場合、その職員によって特別支援加算を算定することはできない。
補足
「特別支援加算とは」 ⇒ 54単位。理学療法士、作業療法士、心理指導担当職員等によって特別支援計画を作成して児童を支援した場合に算定可能。
「専門職員加配」と「特別支援加算」を同時に算定するためには、「専門職員加配」として理学療法士等を常勤換算1名配置、特別支援計画作成のために、理学療法士等1名を別で配置する必要があります。
例
- 常勤(児童指導員+保育士+理学療法士)⇒人員基準+児童指導員等加配加算の要件達成
- 非常勤理学療法士 ⇒ 特別支援計画作成。計画に基づいて他スタッフが児童を支援 ⇒ 特別支援計画の要件達成。
※心理学部卒業の児童指導員がおり、かつ空き部屋がある場合、特別支援加算導入を検討する余地があります。
問111 強度行動障害児支援加算の対象者はどのように判断するのか
市町村が、告示に基づいて判断する。判断にあたっては、各事業所などの意見を参考とする。
補足
対象となる研修は以下のとおりです。
児童の実際の支援が必要かどうかは、確認次第追記いたします。
研修主体事業者等が定められていますので、受講前に行政へ確認することを推奨します。
- 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)
- 重度訪問介護従業者養成研修行動障害支援課程
- 行動援護従業者養成研修
問112 看護職員加配対象の看護職員が喀痰吸引を行った場合、医療連携体制加算Ⅰ or Ⅱを算定できるのか
算定不可。
看護職員加配加算を算定していなければ、算定可。
問113 (保育・教育等移行加算)退所した児童が再通所したのち、再度移行支援によって退所した場合は算定できるか
保育・教育等移行加算は、1つの事業所において、同一の児童に対して1回限りしか算定できない。
問114 ~ 問115 省略
問116 放課後等デイサービスにおける基本区分該当に関する指標はどのように確認するのか
「認定マニュアル」などを参考にすること。
問117 区分割合が変更になった場合、基本報酬もその時点から変更となるのか
前年度実績に基づいて、判断すること。
補足
年度の途中で区分2から1に該当するようになった場合でも、翌年度から区分1での基本報酬となります。
届け出に記載する必要があるため、30年4月以降は必ず各月ごとの児童受入数を記録するようにしてください。
問118 受給者証の更新によって指標該当の児童になった場合の取扱いについて
更新のあった時点から、指標該当児童として利用実績に含んでいく。
補足
翌年度の基本報酬設定に関わります。
指標該当になった月からは、指標該当児として受け入れ実績に算定することで翌年度の基本報酬判断に関係します。
まとめ
区分2かつ、理学療法士や心理学部卒業者が多く配置されている事業所様は、指導員加配Ⅱを算定出来ない分、特別支援加算の算定により、報酬の上乗せを図るなどの方法が考えられます。
また、事業所内相談支援加算も算定要件が多少緩和されたため、積極的に制度を活用していくことで保護者の精神的な負担を緩和させる、利用者に対する支援の質を高めていくなど、事業所としての運営方針に活かすことができそうです。
参考資料
- 平成30年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQandA VOL.1
- 29年度障がい者総合支援法事業者ハンドブック(基準編・報酬編)
- 障害福祉サービス等 質問回答 (平成27年度報酬改定関連中心.静岡県)
- 障害者総合支援法における障害支援区分認定調査員マニュアル(厚生労働省) 他
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