「もうちょっと安くしてくれませんか」事業を営んでいると、こういったお声を頂くこともあります。
たしかに障害福祉事業においては、利用者数の上限が定められているため、ひいては年間の売上まで決められているため、値下げ要請は大事な考え方かもしれません。
できる限りのコストカット、内部処理によってギリギリ利益を残す…という運営をしている事業者様が圧倒的多数です。
しかし、市場原理としては
- 知識、経験が必要な割に滅多に行う作業ではないもの
- 経済的な責任・リスクが大きい作業
- 自社で処理できるスタッフがいない作業
- 市場においても稀な作業
- 誰であっても面倒なため、できればやりたくない作業 等
については、外注処理しようとするとどうしても価格が高くなってしまいます。
弊所なら指定申請や届け出、実地指導の模擬点検がこの類に該当します。
指定申請であれば、開業が1カ月遅れるだけで空家賃、空人件費で合計100万円単位の経費が掛かります。
届出についても、万が一提出が遅れれば数十万円~数百万円単位でお金をもらい損ねることもあります。
万が一運用方法を間違えていれば、不当利得×経過月によって、千万円単位の違反金が発生するリスクもあります。
数枚~数十枚程度の紙束であっても、これほどまでに大きなインパクトをもたらします。
だからこそ、得られる効果、発生しうるリスク、かかる工数、許可までの到達度合いなどを考えながら、慎重に費用を決めています。
とはいえ、事業者様としても、袖がなければ振ることはできません。
限られた予算内で目的を遂行するためには
- 時間をかけてでも自分たちで取り組み切る(依頼するときはやり直しなので正規価格)
- 一部の作業は自社で行い切る(流れが崩れることでトラブルになる可能性も高い)
- 時間とリスクをかけてでも地域最安値の業者を探す(質は保証できません)
- 融資を受ける or 資金を調達する
- 支払い時期 / 方法をずらすよう交渉する(弊所でも可能なかぎり対応しています)
- サービスの利用期間を決めて、その間に自社で処理できるよう組織体制を再構築(内製化)する
などの方法を検討することになります。
特に事業所を利益体質にするために重要になるのが「内製化」の判断基準です。
利益に直結する要素ではありますが、会社のステージ、目指す方向によって、考え方が大きく変わるからです。
初めて事業を興すとき ➡ とにかくスピードが最優先されるため手続きは可能なかぎり外注。事業コンセプトや集客に専念する(稼働率を高めるための助言まであればなお良い)
事業としては安定したものの、拡大志向ではない ➡ 可能な限り自社で業務処理。利益体質にしていく
事業を拡大する ➡ 設立手続きを外注する、あるいは自社で書類作業できるスタッフを育成する
このように、自社のステージ、目指す方向が明らかであることで、会社としてとるべき選択肢は大きく変わってきます。
会社としての強みや弱み、経済動向や競合他社の状況など…
今一度事業計画を定めるなどして、自社の現状、在り方を見つめなおすと、会社としての最適な内部構造が浮かび上がるかもしれません。
貴社の事業運営の参考になれば幸いです。
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