今週の事業考察

【コラム】事業のステージと内製化の判断基準とは

「もうちょっと安くしてくれませんか」事業を営んでいると、こういったお声を頂くこともあります。

たしかに障害福祉事業においては、利用者数の上限が定められているため、ひいては年間の売上まで決められているため、値下げ要請は大事な考え方かもしれません。

できる限りのコストカット、内部処理によってギリギリ利益を残す…という運営をしている事業者様が圧倒的多数です。

 

しかし、市場原理としては

  1. 知識、経験が必要な割に滅多に行う作業ではないもの
  2. 経済的な責任・リスクが大きい作業
  3. 自社で処理できるスタッフがいない作業
  4. 市場においても稀な作業
  5. 誰であっても面倒なため、できればやりたくない作業 等

については、外注処理しようとするとどうしても価格が高くなってしまいます。

 

弊所なら指定申請や届け出、実地指導の模擬点検がこの類に該当します。

指定申請であれば、開業が1カ月遅れるだけで空家賃、空人件費で合計100万円単位の経費が掛かります。

届出についても、万が一提出が遅れれば数十万円~数百万円単位でお金をもらい損ねることもあります。

万が一運用方法を間違えていれば、不当利得×経過月によって、千万円単位の違反金が発生するリスクもあります。

数枚~数十枚程度の紙束であっても、これほどまでに大きなインパクトをもたらします。

だからこそ、得られる効果、発生しうるリスク、かかる工数、許可までの到達度合いなどを考えながら、慎重に費用を決めています。

 

とはいえ、事業者様としても、袖がなければ振ることはできません。

限られた予算内で目的を遂行するためには

  1. 時間をかけてでも自分たちで取り組み切る(依頼するときはやり直しなので正規価格)
  2. 一部の作業は自社で行い切る(流れが崩れることでトラブルになる可能性も高い)
  3. 時間とリスクをかけてでも地域最安値の業者を探す(質は保証できません)
  4. 融資を受ける or 資金を調達する
  5. 支払い時期 / 方法をずらすよう交渉する(弊所でも可能なかぎり対応しています)
  6. サービスの利用期間を決めて、その間に自社で処理できるよう組織体制を再構築(内製化)する

 

などの方法を検討することになります。

特に事業所を利益体質にするために重要になるのが「内製化」の判断基準です。

利益に直結する要素ではありますが、会社のステージ、目指す方向によって、考え方が大きく変わるからです。

初めて事業を興すとき ➡ とにかくスピードが最優先されるため手続きは可能なかぎり外注。事業コンセプトや集客に専念する(稼働率を高めるための助言まであればなお良い)

事業としては安定したものの、拡大志向ではない ➡ 可能な限り自社で業務処理。利益体質にしていく

事業を拡大する ➡ 設立手続きを外注する、あるいは自社で書類作業できるスタッフを育成する

このように、自社のステージ、目指す方向が明らかであることで、会社としてとるべき選択肢は大きく変わってきます。

会社としての強みや弱み、経済動向や競合他社の状況など…

今一度事業計画を定めるなどして、自社の現状、在り方を見つめなおすと、会社としての最適な内部構造が浮かび上がるかもしれません。

貴社の事業運営の参考になれば幸いです。

 

前回のコラムはこちら

【コラム】事業規模を拡大すると社員から反発を受けることの回避策「新しいことを始めようとするといつも社員から猛反対を受けて一向に物事が決まらない」というお話は、あちこちで耳にします。 ただでさえ...

 

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