実地指導や加算作成のときに必ず求められる行政書式です。
毎月末にタイムカードなどとは別に「勤務実績一覧表」を作成することが望ましいです。
自治体によってフォーマットは様々なので、汎用型をもとに解説していきます。
図:勤務形態一覧表
気になるところから読む
シフト作成の基本的なルール
勤務形態一覧表作成のポイント
事業所独自のシフト表だと、人員基準を適切に満たしているかの確認が難しいです。
この場合、
- 加算届作成が致命的に遅れる
- 行政官から、誤った処分を受ける可能性がある
などの大きなデメリットがあります。
明確なルールはありませんが、行政官、行政書士的立場から「こうしてくれたら相当助かります!」という記載方法を説明していきます。
表には「実働数」を記入すること
事業所独自の「A、B、△、〇…」等で記載するところも多いですが、なるべく実数を計上しやすいように記載してください。
たとえば拘束時間9時間のスタッフであれば、休憩1時間を差し引いて「8」と入力します。
資格者と非資格者は分けて入力すること
資格者と非資格者が入り乱れると、人員基準や加算の要件判定をしにくく、誤認定に繋がるリスクがあります。
エクセルの「罫線」で基準上のスタッフとそうでないスタッフを分けて表記しましょう。
毎月ごとにきちんと勤務実績記録を残していくこと
実地指導を受けて内容を洗い出したら人員基準がガタガタだった、という例も数多くあります。
- 人員基準の理解を理解したスタッフを育成できる
- 組織としてダブルチェックの体制を築く 等
が望ましいです
変形労働性をとっていない場合は「原則4週」でチェックすること
第4週間まで判断頂ければそれで充分ですが、運営上は必ず第5週目まで人員配置ができているかチェックしてください。
人員基準を正しく理解すること
特に児童発達支援、放課後等デイサービスでは指導員にまで資格要件が課せられているため重要です。
よくある質問
全ての自治体で確認した訳ではないので、例外や記載違いの可能性があることを、あらかじめご容赦ください。
内容は適宜見直しを想定しています。
不明な点は必ず自治体に確認するよう、事業所として習慣づけてください。
常勤職員の有給消化は勤務実績として含む。ただし…
有給を使って休んだ分も、勤務実績として計上可能。ただし、当日の頭数として資格者が足りなくならないように注意すること
非常勤職員が有給を使用した場合は計上不可
有給を使って休んだ分は、勤務実績として計上不可
お盆や年末年始などの公休で160時間を下回ることは問題ない
その分の営業日を減らしたうえで、職員の配置が足りていれば可
常勤の勤務すべき時間160時間 ⇒ 事業所の休館日によって、132時間となっても可
※念のため就業規則等に記載することが望ましいです
出勤の兼ね合いで160時間を割るスタッフがでた場合…
土日が挟まるなど出勤曜日の兼ね合いで152時間となったとしても、実地指導において合理的な説明ができれば良しとされる傾向にあります。
パート資格者のみで現場を回すことは可とするエリアが多い
児童指導員、保育士、機能訓練担当職員等であれば、パート職員のみで現場を回しても可。
人員基準に含まれない職員だけで現場を回すことは不可(特にスタッフ休憩時間中の配置に注意)
サビ管等や正社員が送迎を行う際は要注意
児発管や常勤資格者など、専従性が求められる資格者の場合は送迎不可という例もあります(大阪など)
特に放課後等デイサービスの場合は、利用児がいるときは常に2人以上スタッフがいなければなりません。
送迎については柔軟な取り扱いとするところもありますが、必ず管轄の指定権者に確認することをお薦めします。
常勤職員が管理者と兼務の場合も要注意
- 生活支援員または職業指導員は1名以上常勤
- 児童指導員は1名以上常勤
など、事業形態によって人の配置が異なります。
厳しいエリアだと「管理者と兼務しているということは、この資格者は非常勤ですよね?」と指摘されることもあります。
事業所に唯一いる常勤職員が管理者を兼務することになる場合は、必ず指定権者に確認することをお薦めします。
唯一いる常勤資格者が、他施設と兼務している場合
制度上問題なし(今後どうなるか不明。自治体ルール注意)
変形労働制をとらない場合
第4週までの勤務実績でチェックをすること
土日が挟まって152時間となっても問題なし(実地指導を見据えて、なぜ152時間となったのかを説明できるよう、メモを残すことを推奨)
利用者が0人の日の配置
管理者、サービス管理責任者、常勤の指導員など、通常勤務しているべきスタッフが勤務していればOKです。
放デイなどは毎日スタッフ2名配置が求められていますが、利用児が0名であれば、常勤者1名のみ出勤していればOKです。
サービス提供時間について
利用者がいなくても、基準上の職員を必要な数だけ配置していればOK
例)
- サービス提供時間6時間で施設開所
- 実際の利用者通所時間2時間
⇒この場合でもスタッフは6時間の配置が必要
指導員加配加算
東京都仕様:日々の人員配置においても、必ず資格者は3名以上配置すること
本来規定:人員基準を満たしたうえで、1ヶ月の合計で常勤換算1名分以上資格者を配置すること
利用者数が10名を超えたときの指導員加配加算の考え方について
最も確実なのは「資格者・経験者3名配置体制 ⇒ 10名超えの日のみ資格者・経験者4名配置体制」に変更すること。
本来なら10名を超えていた場合はそのまま、10名越えの人員配置基準として資格者を3名配置できていればそれでよく、1ヶ月合計で常勤1名分の配置時間を確保できていればOK
この考えをしっかりと理解するためには「人員配置基準の算定方法」を抑えておくことが望ましい
人員配置基準の算定方法について
たとえは放課後等デイサービスの場合、
常勤の勤務すべき時間数 +
1ヶ月間のサービス提供時間合計数 +
10名超えた日のサービス提供時間数の合計 +
÷常勤の勤務すべき時間数
で算定できます。
実際の計算に当てはめると、以下のとおりになります。
例
勤務すべき160時間 +
サービス提供時間合計 140時間 +
10名超えた日のサービス合計 60時間 +
÷160 = 2.2
その他の事業についても解説しています。
詳細はこちらの記事をご参考ください。
人員欠如減算の考え方
毎月の開所日数×0.1までなら、人員欠如があっても減算にする必要ありません。
ただし、翌月に適正に人員基準を満たさないと減算をかけることになります。
例
- 月開所日数23日
- 1割≒2日
⇒月2日までは人員欠如OK。ただし翌月に適正な配置を達成すること。
つまり、
「1日だけ資格者がどうしても確保できなかった」
という程度なら、翌月に再度適正な配置ができれば、ムリな出勤依頼をかける必要はありません。
この点をきちんとコントロールするためにも、人員配置基準は毎月きちんと理解しておいてください。
その他のコツ:書式の枠線、背景色を変えずに、数字だけ反映させる方法
マスや枠線がガタガタになっている書式も結構見てきました。よければ試してみてください(windows)。
エクセルのマス、右下の+を選択後、マウス右クリック ⇒ 対象範囲まで伸ばす ⇒ 離す「書式なしコピー’フィルタ)」を選択
以上となります。
各障害福祉サービスごとの許可基準、報酬体系などはこちら。
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