開業前の記事

【全事業者】「常勤換算」の意味がどうしても分からない方が読む記事

「常勤換算」の考え方が分からなければ、施設の立ち上げや運営ができません。

「開業に必要な人員配置を間違えていて指定が降りなかった」

「人手は十分に足りていると思っていたけど、実地指導でチェックしてもらったらスタッフ数が足りてないことが分かって、減算されてしまった」

「適切な基本報酬の設定が分からなく収支計画が立てられない」

などのトラブルを回避するためにも、ぜひ押さえてください。

常勤換算の考え方

前提:事業所あたり何人スタッフを配置する必要があるかを考えるために使う

一般的には

定員数÷各事業ごとに定められた指標

によって、人員配置基準を求めることができます。

ここに対して

1カ月あたりのスタッフ合計勤務時間÷事業所が定める常勤が勤務するべき時間数

によって、労働時間数を超える必要があります。

なお、常勤が勤務するべき時間数は、月160時間(週5勤務8時間実働)と設定することが一般的です。

常勤換算の考え方は主に

  • 人員基準を満たすとき
  • 加算を導入するとき

などに使います。

以下、より詳細な解釈を理解することで、スタッフの最適な配置をご自身で自由に考えられるようになります。

 

常勤換算数の基本的なポイント

常勤換算数≒スタッフの人数

常勤換算1.2名と言われたら、1カ月あたりで1.2名のスタッフが必要、ということになります。

たとえば各事業ごとの人員基準にもよりますが、

  1. 社員1名+パート0.2名
  2. パート合計1.2名

のような配置案が挙げられます。

(0.2名、パートスタッフ1.2名などの意味は後述します)

 

160時間=4週の合計値

指定申請・実地指導の際には、便宜上4週合計160時間の範囲で人員基準をチェックされることが多いです。

もちろん、第5週目についても人の配置・算定している加算の要件は適正に満たしている必要があります。

チェック方法や範囲については自治体によって異なることもあります。

(ややテクニカルな論点ですが、変形労働制で事業を運営する場合は、5週の合計時間をもとに算出することになります。)

 

ミニマムは月(4週)128時間

週40時間を常勤の勤務すべき時間と定める事業所が多いですが、制度としての下限は32時間=4週128時間です。

この場合、1日あたり実働は6.4時間ですが、管理の手間を鑑みて

  • 実働7時間⇒週35時間⇒ 月140時間

とする事業者様もいます。

1日実働8時間、週5日の勤務により週40時間となります。

週40時間以外の場合、就業規則に定める必要があります。

 

開業後は毎月ごとに管理する必要あり

実地指導でチェックされたときに人員基準違反の指摘をされないよう、毎月ごとに勤務形態一覧表などをもとにチェックすることを推奨します。

きちんと記録しておけば監査官の印象もよくなり、実地指導を円滑に終えられる可能性も高まります。

細かな論点は以下の記事でも解説していますのでご参考ください。

 

常勤換算のケーススタディ

以下、いくつかの例を挙げてみます。

就労継続支援A型・B型 支援員配置7.5:1配置の場合

【20名定員の施設,定員配置7.5:1の場合】

20名(定員数)÷7.5(7.5:1配置)≒2.7名

常勤換算2.7名のスタッフ配置が必要

2.7名×常勤の勤務すべき時間数160=432時間/月の労働時間が必要

432時間/月の配置例
  • 職業指導員 社員160時間/月
  • 生活支援員 社員160時間
  • パートの職業指導員112時間

432時間/月

 

↓のように、ざっくり考えることもできます

常勤換算2.7名のスタッフ配置例

  • 職業指導員 社員1名(160時間÷常勤が勤務すべき時間数160)
  • 生活支援員 社員1名
  • パート職員0.7名(112時間÷常勤が勤務すべき時間数160)

計2.7名@1事業所

※就労継続支援事業の場合、必ず常勤職員が1名以上雇用されていなければならないため、全スタッフをパート職員で運用することはできません

 

 

共同生活援助 世話人配置4:1配置の場合

【6名定員のホーム,定員配置4:1の場合】

6名(定員数)÷4(4:1配置)=1.5名

常勤換算1.5名

1.5名×常勤の勤務すべき時間数160=240時間/月

240時間/月の配置例
  • 社員1名 160時間/月
  • パート職員1名 80時間/月

240時間/月

↓のようにざっくり考えることもできます

常勤換算1.5名のスタッフ配置例

  • 社員1.0名(160時間÷常勤が勤務すべき時間数160)
  • パート職員0.5名(80時間÷常勤が勤務すべき時間数160)

計1.5名@1事業所

※グループホームの場合、必ず常勤職員が1名以上雇用されていなければならないため、全スタッフをパート職員で運用することはできません

 

放課後等デイサービスの場合

基本的にはサービス提供時間をとおして、資格者が2名以上現場を回せられていれば、人員配置を満たします。

(10~15名の利用者がいる場合は3名以上)

1カ月あたりに必要な労働時間数の考え方(例)

  • 1カ月の延べサービス提供時間数:108時間(4時間×27日)
  • 10名超過した日:40時間(4時間×10日超過)
  • 常勤職員160時間必須

合計308時間/月

【人員配置】

  • 308時間÷160時間

計1.9人@1事業所

【現場配置に必要な時間数(1カ月のサービス提供時間の合計 + 10名を超過した日の延べサービス提供時間) + 常勤160時間】÷160

 

よくある質問

有給の消化について

社員の場合は、有給消化の場合でも1カ月の常勤換算の計算に含むことができます。

パートが有休消化した場合は、1カ月の常勤換算の計算に含むことができません

パート/社員によってスタッフが病欠や年休、休職などで出勤していない場合の取り扱いは異なる

有休消化の場合と考え方は似ています。

非常勤スタッフがこれらの理由によって欠勤している場合、その日を常勤換算の計算に含むことはできません。

ただし、他の日に振り替え出勤を行い1カ月のトータルで常勤換算で必要な数を満たせばOKです。

また常勤スタッフの場合は、暦歴で1カ月を超えなければ(当月内であれば)、常勤として勤務したものとして常勤換算に含むことができます。

また、常勤/常勤換算1以上と定められている職種については、支援に必要な人数が確保されていればいいため、欠勤が他利用者の支援に支障がないと見なされれば、代わりの職員を置く必要はありません。

 

まとめ

適正な人員配置、加算の運用のためには常勤換算の考え方は極めて重要となります。

各障害福祉事業ごとに人員基準は異なりますが、一般的には

「定員数÷職種ごとに定められた指標」

によって算出できます。

これを

「1カ月の総時間数÷事業所ごとに定める「常勤の勤務すべき時間数」

によって上回る必要がありました。

貴社の事業運営の参考になれば幸いです。

 

参考資料

事業者ハンドブック2019年(指定基準編・報酬体系編)

厚生労働省「障害福祉サービスQAvol.2」 問6https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/dl/qa08.pdf#search=’%E5%B8%B8%E5%8B%A4%E6%8F%9B%E7%AE%97+%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E7%A6%8F%E7%A5%89′

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