障害福祉事業の経営では、日々さまざまな判断が求められます。
職員を何人配置するのか。
新しい加算を取得するべきか。
利用者数が増えたとき、どのような体制が必要か。
行政から照会があったとき、どう回答するのか。
制度改正によって、自社の売上や運営がどう変わるのか。
こうした問題は、ただウェブやAIで調べれば答えが出るものばかりではありません。
自社の人員配置、職員の資格、利用者の状況、支援内容、今後の経営方針などを踏まえて、個別に判断する必要があります。
そのため、障害福祉の専門家を持つ意味は、書類を外部へ任せることだけではないと考えています。
目次
経営者が制度のすべてを把握することは難しい
障害福祉の制度は、指定基準、加算・減算、運営基準、ローカルルールなど、多くの基準によって成り立っています。
さらに、制度は定期的に改正されます。
経営者がこれらの情報をすべて確認し、日々の事業運営に反映させ続けるには相応の経験が必要です。
一方で、制度への対応を事業所の管理者や担当者だけに任せてしまうことにも危険があります。
担当者が制度を誤って理解していた場合や、退職によって情報が引き継がれなかった場合でも、最終的な責任や損失は法人が負うことになります。
経営者自身が細かな制度をすべて覚える必要はありません。
ただし、自社にどのような影響があり、どの場面で経営判断が必要なのかは、把握できる状態にしておく必要があります。
制度上の問題は、経営上の問題でもあります
障害福祉制度への対応は、行政手続だけの問題ではありません。
たとえば、人員配置の判断は人件費に影響します。
加算を取得するかどうかは、売上と社内の管理負担に影響します。
新しい事業所の開設や定員の変更は、物件、人材採用、資金繰り、将来の収益に関係します。
請求や運営上の誤りがあれば、報酬の返還や行政指導につながる可能性もあります。
つまり、障害福祉制度を理解することは、経営上の利益を増やし、損失を防ぐことにもつながります。
専門家に求められるのは、制度の説明だけではありません。
その制度が自社の経営にどのような影響を与えるのかを整理し、経営者が判断できる状態にすることが重要です。
経営判断を早くするための相談相手
経営者は、日々多くの判断をしています。
その中で、制度に関する疑問が生じるたびに、通知やQ&Aを調べ、行政へ確認し、社内の状況と照らし合わせることは大きな負担になります。
外部に専門家がいれば、判断に必要な情報を整理しやすくなります。
たとえば、
・この人員配置で基準を満たしているか
・この加算を取得するメリットがあるか
・職員を採用した場合、どのような体制になるか
・新規事業を始めるうえで制度上の問題がないか
・行政からの指摘にどのように対応するべきか
・制度改正によって何を見直す必要があるか
といった場面です。
専門家が経営判断そのものを代わりに行うわけではありません。
必要な情報、考えられる選択肢、制度上の危険を整理することで、経営者が判断しやすくすることが役割です。
問題が起きる前に気付ける状態をつくる
障害福祉事業では、問題が表面化したときには、すでに対応が難しくなっていることがあります。
人員配置の不足、加算要件の未達、必要な記録の不足、担当者だけが把握している業務などは、日常の中では見過ごされやすい問題です。
運営指導や行政からの照会があって、初めて問題に気付くこともあります。
専門家を持つ価値の一つは、問題が大きくなる前に確認できることです。
何か起きた後の対応だけではなく、現在の運営状況を確認し、今後問題になりそうな点を早めに把握することが、経営の安定につながります。
管理者や担当者に任せられる会社にする
経営者が事業所の細かな制度対応まで確認し続ける状態では、事業を広げたり、ほかの経営課題に取り組んだりすることが難しくなります。
管理者や担当者が、自ら必要な情報を確認し、適切なタイミングで経営者へ報告できる状態が理想です。
そのためには、書類を外部で作成するだけではなく、社内に知識や判断方法を残していく必要があります。
当事務所では、制度に関する情報提供、解説資料、研修、相談対応などを通じて、事業者自身が制度を理解し、日常的な運営を管理できる状態を目指しています。
事業者が自ら対応できるようになることは、専門家が不要になることではありません。
通常の運営は社内で行い、判断が難しい場面や行政対応が必要な場面では外部専門家を使う。
そのような役割分担が、事業者にとっても専門家にとっても、安全で持続しやすい関係だと考えています。
当事務所が目指す方向性
弊所は、事業者の業務をすべて引き受ける運営代行会社ではありません。
また、依頼された書類だけを作成する関係を、顧問契約の目的とも考えていません。
私たちが目指しているのは、障害福祉制度に関する外部の相談相手として、経営者や管理者と支援体制を構築することです。
具体的には、
・重要な制度変更を分かりやすく伝える
・制度改正が自社に与える影響を整理する
・加算や人員配置について判断材料を提示する
・行政対応が必要な場面で考え方を整理する
・管理者や担当者が制度を学べる資料を提供する
・事業運営上の危険を早めに確認する
・新規事業や体制変更について制度面から助言する
といった役割を担います。
すべてを専門家へ丸投げするのではなく、事業者と専門家がそれぞれ必要な情報を持ち寄り、一緒に判断していく関係です。
当事務所の活用が向いている事業者
弊所の業務は、次のような経営者に向いています。
・制度変更を経営判断に活かしたい
・行政対応で迷ったときに相談できる相手がほしい
・管理者や担当者だけに制度対応を任せることに不安がある
・社内に制度を理解できる人材を育てたい
・加算や人員配置について、経営面も含めて検討したい
・問題が起きてからではなく、事前に危険を確認したい
・通常の運営は自社で行い、難しい判断では専門家を活用したい
一方で、社内では制度を確認する職員がおらず、必要な情報の整理や書類の確認も含めて、すべてを外部へ任せたいという場合には、当事務所と合わないかもしれません。
障害福祉事業の運営主体は、あくまで事業者です。
外部専門家は、その経営や運営を支える立場です。
経営者が専門家を持つ意味
経営者が障害福祉の専門家を持つ意味は、単に質問への回答を受けることではありません。
・自社だけでは判断が難しい場面で、制度上の危険や選択肢を整理できること。
・重要な制度変更を見落とさず、経営への影響を把握できること。
・管理者や担当者へ任せながらも、経営者が必要な情報を確認できること。
そして、何か問題が起きたときに、会社の状況を理解している相談相手がいることです。
日常的には事業者自身が運営し、難しい場面では専門家と一緒に考える。
弊所は、そのような関係を通じて、障害福祉事業者の安定した経営を支えていきたいと考えています。
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