取扱業務

開業・運営フロー

開業までの全体的な流れ

  • 事業計画(いつ / どこで / なにを / だれと / なぜ / どうやって等)
  • 行政調査(申請窓口 / 申請手順 / 必要タスク / 申請期日 / 事前説明会参加の要否等)
  • 融資・資金調達法検討(信用金庫 / 日本政策金融公庫等)
  • 補助金調査(GHなど。あればラッキー、くらいの感覚がいいかもしれません)
  • 法人名・法人形態の検討
  • 会社設立(1ヶ月程度)
  • 労務・税務手続き 法定期日内に随時
  • 行政説明会参加(必要なエリアの場合)
  • 行政事前協議(図面・A型事業計画など。2週間~1ヶ月程度)
  • 採用活動・物件選定・内装工事(開業スケジュールに最も影響ある工程です)
  • 申請に必要な書類・タスクの実行(作業内容は後述。専門家関与しても通常2~3ヶ月はかかります)
  • 申請書類作成・チェック(2~3週間程度かかります)
  • 指定申請・行政協議(1~2ヶ月,滞りなく申請できた場合)
  • 申請書類受理のち融資実行
  • 審査期間(1ヶ月。最終週に原則法人住所へ許可通知書送達)
  • 毎月1日付で開業

解説

あくまで例示ですので、実務の世界ではこれらの要素が複雑に入り交じりながら進めることになります。

(本質部分は共通していますが、申請のために必要な要素、書類自体は行政によって大きく異なります)

 

完全新規の場合、滞り無く進めても、オープンまで6~8ヶ月程度はかかります。

顧問先かつ、知識・ご経験ある事業者様との提携でも3ヶ月程度は開業までにかかります。

もし自力で申請手続きを行う場合、9か月程度は要するものとみておきましょう。

 

建物について

  • 事業ごとに求められる設備基準の確認
  • エリア選定
  • 候補物件の選定・平面図手配
  • 法令調査(都市計画法 / 消防法 / 建築基準法 / 近隣住民 / まちづくり条例等)
  • 行政図面協議(1ヶ月程度)
  • 物件契約(用途:障害福祉事業 / 障害児通所支援事業 等)
  • 法定手続き開始(開発許可 / 消防設備設置届出等 / 建築確認申請 / 住民説明 等)
  • 内装業者との打ち合わせ / 設備・備品の選定
  • 内装工事(完了しないと申請は原則不可)
  • 電話・ファックス番号発行(開通作業は随時)
  • 備品搬入・設置(災害対策など自治体独自水準ある可能性)
  • 関係法令手続完了(消防 / 建築 / 都市計画法 / 周辺住民説明等)
  • 建物外観・内観の写真撮影(行政により要否・納期の違いあり)
  • 行政による現地確認(申請月の翌月中旬)

解説

物件についてです。行政との事前協議や法令調査を行ってからでないと建物の契約はリスクが大きすぎます。

また、内装工事によって申請第1回の締切りに間に合わないと、開業月が遅れる場合があります。

必ず、いつまでにどの程度の作業を終えている必要があるのか、行政に確認しておきましょう。

 

人員について

  • 事業内容、規模に応じて配置すべき人員基準の確認(仮の勤務形態一覧表)
  • 事業ごとに必要な人員集め・採用活動
  • サビ管・児発管研修・相談支援従事者初任者研修申し込み&受講(開業月前月まで等)
  • 令和4年以降は基礎研修のみ受講者ではサビ管等配置不可
  • 資格証、実務経験証明書、その他雇用関係書類 収集(時間かかるため早めに)
  • 雇用契約の締結(○月○日契約、○月1日勤務開始など)
  • 勤務形態一覧表・人員体制の確定(指定申請月前月末までには)
  • 労務手続き完了
  • 処遇改善計画検討(従業員の給与増額)

解説

申請段階で、必要な人員は完全に手配して必要書類収集まで終えている必要があります。

特にサービス管理責任者 / 児童発達支援管理責任者 / サービス提供責任者 / (就労など)管理者の要件は重要です。

確実に要件を満たす職員を確保できるように計画立てて行動しましょう。

 

行政 指定申請について

  • 申請期日の確認(窓口対応の要否 /  初回申請期日の確認・アポイント設定)
  • 指定申請書、加算届出書の作成(以下詳細等)
  • 運営規程 記載内容の検討(営業日時 / サービス提供日時 / 利用料 / エリア / 対象となる障害など)
  • 協力医療機関・提携事業所選定(事業によります)
  • 勤務形態一覧表確定
  • 従業員関係書類収集完了
  • 建物関係書類収集完了(原則備品搬入完了まで)
  • 感染症対策マニュアル完了
  • 加算体制 検討完了
  • 申請書類・届出書類作成完了
  • 業務管理体制届出作成完了(法令遵守責任者の設定)
  • 申請書類提出(ストレートに進めば申請2ヶ月後に事業所オープン)

解説

行政によって、申請方法(窓口・郵送など) / 必要書類 / 第1回目の書類提出期日 / 到達水準 などは大きく異なります。

事前に確認のうえ開業準備と平行して、できるところから着手していきましょう。

 

開業前に行うこと(概要版)

  • ホームページ、ブログなどの作成(最初は安価でもいいかもしれません)
  • 支援プログラム検討(1日の流れ / 支援内容 / マニュアルなど)
  • 備品や送迎車等の手配
  • 運営書類手配(もしくは事業運営をとおして随時作成など)
  • 法定帳票収集(実地指導点検要綱等を確認)
  • 広報活動(原則として○月オープン!など、開業月の確約は不可)
  • 職員研修 / キックオフミーティング / 他事業所見学など
  • 事業所見学会・説明会の企画(いつ、どこまでできるかは行政による)
  • 事業所見学会・説明会の開催
  • 仮利用予約の締結
  • 利用受給者証発行手続き(相談支援事業所:サービス等利用計画案 / 障害福祉課:受給者証発行手続き)
  • 個別支援計画書作成完了(アセスメント / 会議 / 計画書原案 / 計画書)
  • サービス利用開始

解説

指定申請手続は開業に直結する非常に重要な要素ですが、時間をかけすぎると、経営・運営領域の準備がおろそかになってしまいます。

一部で恐縮ですが、必要なタスクをリストアップいたしました。

 

開業後に行うこと(概要版)

毎日行う業務

  • サービス提供実績記録票
  • 業務日報(職員)
  • 支援記録(利用者)
  • 各種記録(送迎記録 / 欠席記録 / 食事提供記録等)

毎月行う業務

  • 毎月ごとの勤務実績の記録(タイムカードとは別に。行政様式によることが望ましい)
  • 各事業ごとに定められた法定業務等

毎年行う業務

  • 体制等届出の提出(加算の設定。必要な場合、毎年4月)
  • 処遇改善計画(毎年2月末日期日。改定時は4月15日など)
  • 職場環境要件の年度内実行
  • 処遇改善実績報告(原則、翌年7月末)
  • wamネットへの事業所情報・自己評価結果等の掲載(原則開所後1年以内ごとに)
  • 研修&評価または資格取得計画(頻度は事業者裁量)
  • 防災・避難訓練(年2回など。消防局に確認が望ましい)
  • 各種委員会活動(虐待防止委員会 / 身体拘束適正化委員会 / 感染症対策委員会等)

利用者関連

初回サービス利用開始時点から、利用者の支援計画が開始します。

  • 医療機関:医師による意見書または診断書発行等
  • 問い合わせ・事業所見学・面談
  • 利用者基礎情報確認・アセスメント
  • 障害児者相談支援事業所等と連携(相談支援事業所:サービス等利用計画作成・セルフプラン策定 / 障害支援区分認定手続き等)
  • 個別支援計画会議 / 計画書原案作成 / 計画書本案作成
  • 利用契約書 / 重要事項説明書の締結 / 計画書本案の保護者交付&押印
  • 障害福祉課 サービス利用にかかる受給者証発行完了
  • 利用者負担上限額管理依頼(通所事業所を掛け持ちで利用する場合など)
  • 契約内容報告書提出(利用開始月の翌月10日以内)
  • 利用者自己負担分およびサービス利用実費の請求&領収書発行
  • 利用明細書 / 利用者負担上限額管理結果票の利用者交付
  • 代理受領通知書の交付(毎月。国保連入金完了のち)

発生時、都度行う業務

  • 加算届出(算定・繰上:適宜毎月15日,翌1日算定。繰り下げ・取り下げは随時)
  • 変更届出(届出事由発生の場合。原則変更事由発生のち10日以内)
  • ヒヤリハット・事故報告記録・身体拘束実施の報告
  • サービス担当者会議(利用者に関する関係機関との協議、情報共有など)
  • 実地指導(開業後1年以内など。行政によってメドは異なります)
  • 事業ごとの手続き

その他 各事業ごとに特有な法定業務の例

就労継続支援A型

  • 前年度平均利用者数に基づいた人員配置
  • 基本報酬にかかるスコア表の作成(前年度の取り組み実績評価)
  • 利用者の賃金規定 / 雇用契約 / 就業規則
  • 施設外就労の記録&行政報告
  • 就職者の状況記録(就労移行支援体制加算の評価) 他

就労継続支援B型

  • 前年度平均工賃実績の記録(できれば毎月ごと)
  • 工賃向上計画の提出(毎年)
  • 工賃規定表の作成

就労移行支援

  • 就労定着実績(前年度 / 前々年度)
  • 就労状況の調査(就職証明 / 雇用契約など)

共同生活援助

  • 平均利用者数、障がい支援区分に基づいた職員配置
  • 夜間支援員の配置(申請時定員×0.9 / 6ヶ月ごとに翌1ヶ月の配置 / 12ヶ月ごとに翌1ヶ月 / 前年度の実績で翌1年度の配置など)
  • 夜間支援記録
  • 金銭預かり記録

 

解説

開業後に行う主な法定業務をまとめました。

  1. 制度を理解、活用して事業に活かすこと
  2. 誤った運営による法令違反・返金・受入れ停止などの処分を受けないこと
  3. 事故、虐待、トラブルなどのない持続可能な事業運営を実現すること

いずれの観点からも、制度に沿った事業運営が欠かせません。

あくまで最低限必須な事項につき、事業や事業者様ごとにつど詳細なタスクや書類は異なります。

以上となります。

貴社開業スケジュール策定の参考になれば幸いです。

 

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(意思決定、開業支援業者の選定などについても触れていますので、ご参考になれば幸いです。

 

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