取扱業務

【令和3年度版】愛知県庁エリアで障害福祉事業を開業(指定申請)する方法

愛知県庁障害福祉課の指定申請は、他行政以上にシビアです。

ここではグループホーム(共同生活援助)、就労継続支援A型、就労継続支援B型・就労移行支援、生活介護等の申請を検討している方のための、事前チェックポイント、をまとめました。

本稿はあくまで基本的な流れです。

また、県外、名古屋市、豊橋市、岡崎市、豊田市、一宮市、大府市(障害児通所支援を除く)での開業は、各行政の手順に沿って申請を行ってください。

 

愛知県庁エリアで福祉事業を開業する方法

指定申請先

大変混雑しているため、必ず書類提出月前月をめどにアポイントをいれてください。

〒460-8501(郵送時住所表記不要)

愛知県庁障害福祉課 事業所指定・指導グループ(西庁舎1階)

  • 土日祝日等の開庁日を除く平日
  • 午前 9:00-11:30 / 午後 13:00-16:30まで
  • 電話番号 052-954-6317

本稿はあくまで、基本的な流れです。

必ず愛知県庁の必要書類一覧、ハンドブック等を確認したうえで、事前協議や要件確認をとおして、確実に工程を進めてください。

 

申請書類一覧

申請に必要な書類はこちらから取得いただけます。

内容によっては、別途追加書類の提出を求められることもあるため、あらかじめご了承ください。

・申請書類一覧(愛知県庁)

 

指定申請において絶対に抑えておいてほしいポイント

申請書類の提出期限は毎月(原則)10日まで

最重要ポイントです。

このときまでに「事業所をほぼ完成」させておく必要があります。

具体的には、

必須条件
  • 建物の図面協議(A型なら事業計画も)事前協議を終えていること
  • 障害福祉課が定める「チェックリスト」は全てチェック完了したうえで添付すること
  • 工事を完了、最低限必要な備品を搬入した状態で写真を納めること
  • 資格者をはじめ、必要な人員は全て揃っていること
  • 必要書類一覧に定められた必要書類は、全て揃えること
  • 申請書類は全て収集・作成されていること

が要求されます。

 

この時点で未提出でも可とされているのは、

  • 防火対象物使用開始届出
  • 建物の検査済証
  • 建築確認済証
  • 都市計画法上の許可証

だけです(要申立書)。

 

つまり、必須条件揃ってないまま無理やり申請書類を提出しても、審査は受け付けてもらえず、差し戻しになります。

提出期限過ぎたあとに形式不備で差し戻しを受けると、開業が1ヶ月は後ろにずれ込むことが確定します。

 

これは自社で申請書類を作成しようが、行政書士に頼もうが、県議員に頼もうが変わりません。

数年前で、まだ障害福祉事業がそこまで普及していない時代は許可の基準もゆるく、行政も柔軟な対応をしてくれることもありました。

今は一切通用しないものと思っておきましょう。

 

また、申請書類の作成は、どれだけ慣れている事業者様でも、書類収集から始めると最低でも1ヶ月はかかります。

 

行政書士に依頼するにしても

弊所としても、はねられることが分かってて、未完成の書類を申請するということは、いたずらに行政サイドの負荷を増やすことになるため、できません。

また、提出必須のチェックリストを添付することになるので、わざと形式不備の状態で書類を送付することもできません。

 

仮にそのようなことをしたとしても、即時はねられて翌月以降の審査に回され、申請書類もイチから作り直しになります。

したがって、どう頑張っても期日に間に合わないときは、開業スケジュールを見直していただく他ありません。

 

 

図面協議には1ヶ月程度かかること

図面の審査にも、1ヶ月程度はかかります。

図面協議が終わる前に、物件の賃貸契約をする事業者様もいますが、白紙撤回条項など結ばない限り、止めましょう。

工事着工や備品の手配までしたにも関わらず、審査が認められなければ、時間とコストを大きくロスしてしまいます。

 

また、コンサルタントによるモグリの申請代行・図面協議代行もできません。

事業者のフリをして代行する業者もいるかもしれませんが、この障害福祉事業は許認可事業です。

入口の時点から法手続きを犯すような事業者に頼むのが正しいかどうか。

…経営者様ならどう判断するか、容易だと思います。

 

職員採用で使える(かもしれない)テクニック

開業までの間の空人件費を気にされる方もいるかもしれません。

この場合、例えば

雇用契約締結日:例)2021年5月23日

勤務開始日:2021年8月1日から

のような形で、雇用契約を締結しても構いません。

そして、事業所がオープンするまでは、他の会社で働く / あるいは開業前月から研修を兼ねて働いてもらう / さらにその前の月から開業準備を手伝ってもらう

などするといいでしょう。

ただし、虚偽申請を疑われてはいけないので、雇用契約を結んだ職員はかならず開業月(この場合なら8月1日)から働けるように段取りを組んでください。

 

逆算スケジュール

「じゃあ逆に、どうしたら希望月どおりにオープンできるですか?」と思った方もいるかもしれません。

あくまで一例ですが、以下のようになります。

 

あらかじめ行っておいたほうが良いこと

障害福祉課のお世話になるのは、ほぼ事業が確定した段階です。

従って、以下のような事項はすでに終えている必要があります。

  • 事業コンセプトの設定
  • 法人の設立(必須。株式会社、合同会社、公益法人なら特定非営利活動法人が望ましい)
  • 法人の事業目的について、有効な表記の記載があること(参考:定款作成における留意事項(茨城県)
  • 必要書類チェックリスト、行政様式の収集、内容の確認
  • 許可基準、運営基準、(できれば)報酬体系の理解
  • 確定している職員についての雇用関係書類の手配(辞令、雇用契約書、履歴書、秘密保持誓約書、実務経験証明書等)
  • 関係法令の調査(必ず行政様式「申請調書」も確認してください)
  • 建物の使用面積が200㎡を超えるなら建築確認申請の手配
  • 建物が市街化調整区域なら都市計画法の許可の手配
  • 創業融資、金融公庫借り入れの相談 等

 

 

遅くとも開業希望月の3か月前までに 事前協議完了

開業予定の物件について、設備要件を満たしていることの確認をとります。

なお、承認を得た以降に行政の許可なく間取りを変更しないでください。

再度図面協議からやり直しになる可能性があります。

弊所に依頼するときは、この時点(あるいはもっと早く)でお声がけ願います。

期間によって費用は変わりませんし、むしろ期日間際のほうが特急になる分、費用を頂かざるを得なくなります(リスケジュール可なら通常料金など、ケースバイケース)。

 

これらは全て重要なポイントです

  • 事前協議完了前に物件を契約しないこと
  • 各部屋の間取り、できれば備品まで記載すること(作業訓練室、多目的室等)
  • 各部屋について、内寸で面積を記載すること
  • 面積について、計算根拠も記載すること
  • トイレの外に手洗い場が別途設置されていること
  • フロアや通路、トイレ等について、他テナントの従業員が利用しないこと 等

 

 

物件に関する相談窓口

愛知県建築指導課第一グループ

名古屋市中区三の丸三丁目2番1号 愛知県東大手庁舎3階

電話番号 052-961-9720(かけ違いにご注意ください)

※名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市および春日井市については、各市の建築指導部局に確認すること

※あらかじめ都市開発課において、市街化調整区域該当の有無を確認すること

・都市計画課(愛知県)

 

こちらの記事もご確認ください。

・物件の要件確認手順

・内観、外観写真撮影のポイント(追加予定)

 

前々月10日まで 申請書類の提出期限(消印有効)

申請書類一式の提出期限です。

その間に以下の項目を全て完了させる必要があります。

全ての書類、条件を有効に満たさないと絶対に許可は降りません。

※4月1日開所を希望する場合は、2月1日までに以下のような項目を全て完了させている必要があります

 

  • 必要書類チェックリストを完成させること(重要!完成できないまま提出した場合、そもそも審査されず書類を差し戻されます)
  • 事業所の電話、ファックス番号の手配
  • 建物の契約完了(用途:障害福祉サービスなどと記載されていること。「事務所」などの記載は不可)
  • 建物の住所は、郵送物が届く有効な住所表記であること(建物の号数記載まで忘れずに)
  • 内装工事の完了および行政が指定する水準での備品設置完了
  • 写真台帳の完成(建物の外観・内観の写真撮影)、平面図と連動させること
  • 不足する分の人員手配、指定された雇用関係書類を全て収集、写しまで作成すること(人員配置ギリギリよりも、+0.5~1.0は多く職員を配置すること)
  • 協力医療機関協定書の写しの手配
  • 防火対象物使用開始届出の発行完了(最遅申請月翌月15日まで)
  • 市街化調整区域なら都市計画法の許可証発行完了(最遅申請月翌月15日まで)
  • 200㎡超え物件なら建物の検査済証発行完了(最遅申請月翌月15日まで)
  • 各添付書類について、内容まで有効であることまで確認すること
  • その他、各事業ごとに求められる書類まで収集していること
  • 全ての書類を漏れなく、申請書類を完成させること
  • 行政様式への押印、原本証明作業は不要になりました

 

職員関係で必要な書類の例

許可基準を満たすためには、管理者、サービス管理責任者、支援員などを確保してから申請書類作成に移ってください。

  • 管理者、サービス管理責任者経歴書
  • 雇用契約書(コピーを提出)
  • 履歴書(参考)
  • 資格証
  • 実務経験証明書(原本提出)
  • 免許証両面のコピーもしくは戸籍謄本(資格証に記載されている名字と異なっている場合)
  • 役員の兼務申立書(任意)
  • 辞令(役員、配置転換職員など)
  • 労働条件通知書(必要に応じて) 等

 

こちらの記事もご参考ください

・実務経験証明書の発行ルール

・人員基準を満たすまでの手順

・シフト表の作成ルール(基本)

 

審査期間・事業所オープン

有効な申請書類一式を提出したのちは、審査期間に入ります。

この間に申請内容に関する質疑応答や審査の結果にもとづく追加書類の提出、軽微な書類補正等を行うことになります。

 

行政の指定した期日までに追加作業、補正対応を完了させます。

問題なければ審査月最終週に、法人本社(あるいは事業所など事前に指定した郵送先)に指定通知書が送付されます。

 

この期間に、絶対レイアウトの変更や、職員の内定辞退(特にそのことによって人員基準が満たなくなるなど)がないようにしてください。

審査がストップして、開業月が遅れるリスクが出てきます。

 

 

自社で作成するか、外注するか

概要としては以上となります。

行政書士として見てきた様々な許認可の中でも、障害福祉は特に難易度の高い部類に入ります。

これを自力で行うのはあまり費用対効果は悪いです。

指定申請に時間を食われすぎて、まったく事業内容の作り込みや集客活動に時間をとれなくて、利用者がいないままオープンしてしまった…という相談もかなり多く受けてきました。

 

もし貴社に申請書類作成業務を託せるスタッフがいない場合は、弊所でなくてもいいのでアウトソーシングを検討してください。

指定した書類の収集(追加対応)、何回かに分けたヒアリング程度のみで事業許可の取得までサポートできます。

 

「実は要件を満たしていなかった」となると開業に遅れが生じるので、できれば士業や各業者を活用して、要件確認段階から確実に上記の要件を固めてください。

加算体系に基づいて、算定できる加算があればあらかじめ届け出ますので、初月から給付金の上乗せを図ることもできます。

もちろん、スポットでの弊所活用もご検討いただけましたら幸いです。

 

指定申請にかかる処遇改善加算届の解説はこちら

・処遇改善加算について

・処遇改善加算の具体的な導入方法

 

最後に

管理者、支援員としての実務経験や、多くの事業所様(2021年1月時点においても、クライアントの90%以上が、障害福祉関係の事業者様です)との関わりに基づいた、事業に関する提案までできることが、弊所独自の強みです。

強い想いをもって開業準備にあたっている経営者様であれば、限られた貴重な時間を書類作業などにあてずに、支援内容の検討、事業内容の周知活動、関連機関との関係構築に時間をかけて頂きたいということが、弊所の願いです。

当記事が、貴社の新規事業立ち上げのご参考になりましたら幸いです。

 

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