放課後等デイサービス・児童発達支援

【まとめ】コロナウイルス禍における放課後等デイサービスの運用ポイント ※追記あり

新型コロナウイルス禍における放課後等デイサービスの運営に関する質問について、弊所の私見や確認内容などを交えて記述しました。

読みやすさを重視するために、表記を一部原典から変えている点、あらかじめご了承ください。

本項を踏まえたうえで、原典を印刷して事業所で保管することをお薦めします。

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/330326.pdf

(★⇒比較的多くいただく質問です)

 

コロナウイルス禍における放課後等デイサービスの運営ポイント

気になるところから読む

受け入れの判断基準は「孤立化の防止」

原則として、親が仕事をしているなど、1人で自宅で過ごすことが困難な児童に対する居場所づくりが主な目的であることを念頭に、受け入れの判断を行うことになっています。

その他には、家庭で過ごすことによる虐待発生の未然防止なども受け入れの観点となっております。

以下の通知を前提としています。

2 月 28 日付文部科学事務次官通知「新型コロナウイルス感染症対策のための小学校,中学
校,高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休業について(通知)(抄)

(保健管理に関すること)

1 新型コロナウイルスの感染の拡大を防止するための臨時休業であるという趣旨を
児童生徒に理解させ,人の集まる場所等への外出を避け,基本的に自宅で過ごすよ
う指導すること。

 

 

受給者証発行を待たずに施設の利用をできる可能性がある

支給申請を行わずに支給決定を受けることができます(特例障害児通所給付費制度)。

実務的には、事前に市町村に報告、承認を得たうえで受け入れをすることにする自治体も多いです。

童福祉法21条5の4
通所給付決定保護者が、第二十一条の五の六第一項の申請をした日から当該通所給付決定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により指定通所支援を受けたとき。

 

支給決定量を超えた利用も可能に

可能。

ただし、利用回数については市町村の裁量で増減を決定できるともされています。

なお、緊急対応の必要な時期が経過したのちは、できるだけすみやかに利用計画書の見直しを行うことになります。

ここぞとばかりに宣伝による集客をしていると受け取られると実地指導時にマイナスの印象を与える可能性があるため、あくまでやむを得ない措置であることをご認識ください。

 

「可能な限り長時間対応」について具体的な基準値はない

本取り扱いは、自宅で1人で過ごすことのできない児童の受け皿としての開所が趣旨であるため、その点を配慮した開所を行うこと。

(具体的に何時間、とは決められていません)

 

緊急事態宣言が出たあとも、サービスの提供は続けることができる

以下の記事を参考のうえ、対応願います。

休業要請が出てもあくまで要請レベルですが、周囲の事業所や保護者、利用者との関係性を踏まえて開所の是非は検討ください。

【指定申請】障害福祉事業所が抑えるべき、緊急事態宣言後における対応の要点7都道府県において、緊急事態宣言が出されました。 障害福祉事業所において、ただちに利用制限などの措置がとられることはありませんが、...

 

事業所と契約を結んでない児童の受け入れの余地もある

指定権者(申請担当課)の裁量によりますが、契約に必要な最低限の手続きを事後的に行うこともできます。

私見)

最低限の手続きとは、例えば以下の事務作業等を指します。

  • 利用契約書
  • 重要事項説明書
  • アセスメント
  • カンファレンス
  • 個別支援計画書の作成 等

 

実例)

たとえば以下のような流れで運用がされています。

  1. 利用を検討する段階で一度事前に障害福祉課に連絡をすること
  2. そののち障害福祉課の指示を仰いで、すみやかに正式な利用手続きを行うこと

※市町村への報告なしに、利用手続きを経ず児童の受け入れを行うことは非推奨

 

申請上のサービス提供日やサービス時間も柔軟な運用が可能に

必用な手続きを事後的に行うことで、柔軟な取り扱いとすることもできます。

例)運営規程の変更届

※ただし、利用者の混乱を避けるため、利用者全員にたいして変更の周知を行うこと

⇒保護者だよりによるお知らせなどが考えられます。

 

あらかじめ届け出た場所と別の場所でサービスの提供はできるか?

可能。

届出を省略することも差し支えありません。

 

私見)

実地指導での指摘を回避するためには、事後的にすみやかに変更届を提出することが望ましいです。

また別の場所とは、同一建物内で未使用の部屋などが想定されます。

建物自体別の場所で支援を行う場合は、あらかじめ市町村もしくは指定権者の確認をとることが望ましいです

体制届の変更なども省略可能に

指定権者の裁量において、事後的に届出を行うことも可能とされます。

ただし、明らかに算定要件を満たさないで加算請求すると当然不正請求になります。

 

1日に2か所の事業所利用もできるが、報酬の取り分は協議による

事業所間での協議により、1つの事業所に支払われた報酬を分け合うこともできます。

ただし、それぞれの事業所が通常どおりの請求をすることは、2重請求となるためできません。

 

事前の届出が必要な加算について、届出なしで請求することもできる

本来必要な届出を事後的に行うことも可能とされます。

延長支援加算などは該当する事業所様も増えそうです。

 

保護者の利用料については補助がおりる

背景

利用者負担上限額いっぱい利用していた家庭の場合はあまり気にしないかもしれませんが、たとえば2~3回のみ利用した場合でも2,000円~3,000円程度の自己負担が発生します(利用者負担額のある家庭の場合)。

こうなった場合、サービスの利用を自粛してしまうことで、保護者、児童ともに本来必要とされるサービスを受けられなくなるリスクがあります。

ここで、自己負担額の国庫による補助が令和2年度補正予算案として計上されることとされました。

市町村が利用者に代わって事業所に負担額を支払った場合、国がが費用の1/2を支払う、とということが想定されています。

 

利用料の増加額相当については、国庫により補助されます。

  1. 新たに支給決定を受けた児童の利用により報酬が増えた分
  2. もとから利用していた児童で、学校休業によってサービス利用増が生じた結果、報酬が増えた分
  3. もとから利用していた児童で、報酬単価が平日から学校休業日に切り替わることで報酬が増えた分
  4. 長時間の開所を行い、早朝開所による延長支援加算により、報酬が増加した分

3月分の利用料については、当初から予定していた分の利用料を保護者に請求すること。

私見)

利用者負担上限額を超えた利用をした児童(保護者)については、利用料上限によって利用料は通常どおりカバーされるようです。

 

1日の開所時間が6時間未満の場合でも開所時間減算を適用しないことも可能に

市町村判断により減算が適用されない、とすることもできます。

 

休業となった学校が必要最小限の人数で登校した場合や卒業式など特定行事を行う場合の報酬体系は「学校休業日か否か」

教育委員会が当該日を学校休業日として定めているなら、学校休業日として報酬を請求することになります。

 

★定員を超える児童の受け入れについて、150%以上の受け入れも可能に。ただし…

150%以上の受け入れも、児童の孤立化防止の観点などやむを得ないものであれば認められます。

事業所の人員や広さを考慮して、衛生面、安全面に配慮する必要があります。

職員配置については、児童数に応じた職員配置が望ましいものの、やむを得ず配置できない場合は減算を適用する必要はありません。

※地域の事業所を分散利用することで定員超過を回避できる場合は、自治体の福祉部局等と連携して利用調整を行うことが要請されています。

個人的メモ)

3カ月平均130%ルールについても、適用されないようです(愛知県エリアにて確認)

 

他事業所への応援、子どもの預け先等の事由による短時間勤務、スタッフや家族の感染による在宅待機などに場合も、減算にならない

減算にならない

 

本規定により人員欠如となった場合でも加算の算定はできる

今回の緊急措置前に算定していた加算、減算については継続して適用されます。

ただし、送迎加算、食事提供加算などの実績を伴う加算については、従来どおり実績にもとづいて算定されます。

 

★児発菅の在宅待機などによりやむなく出勤できない場合は減算回避可能

減算の扱いにはなりません。

※万が一適用されない場合は、減算の影響が大きいため、念のため管轄エリアに確認することをお薦めします

 

★居宅で待機している児童にたいして支援を行った場合も報酬請求は可能に

居宅への訪問、感染拡大をおさえるための音声通話、スカイプ、その他の方法で支援を行った場合は、通常どおり報酬請求ができます。

加算についても、緊急措置前に算定していた加算、減算は継続して適用されます。

ただし、以下の場合は、サービス提供とみなされないことに注意してください。

  1. 健康管理や相談支援を行うことで、通常のサービス利用とみなされ、利用者負担が発生する旨については保護者に説明すること
  2. 単なる欠席連絡のやりとりのみの場合

私見)

あらかじめ在宅支援を行う旨、在宅支援の方法、日時、担当者、支援を行った記録、保護者への説明及び同意を得た旨は、書面などで記録しておくことが望ましいです。

(サービス提供実績記録票の備考欄なども活用の余地がありそうです)

 

加算に関する補足 特例なし

以下については、代替的支援の取り扱いのない加算です

  • 食事提供加算
  • 利用者負担上限額管理加算
  • 欠席時対応加算
  • 送迎加算

 

加算に関する補足2 特例あり

以下については電話等による代替的支援によっても算定できます。

算定回数等の通常の算定要件は満たすこと、基本報酬にかかる電話支援とは分けて記録をすること、が実地指導を見据えた際のポイントとなります、

  • 人工内耳装用児支援加算
  • 家庭連携加算
  • 事業所内相談支援加算
  • 訪問支援特別加算
  • 医療連携体制加算Ⅰ~Ⅳ

 

家庭連携加算

従前から個別支援計画に相談支援を行う旨を記載されている必要があり、事業所内相談線加算と同時に算定することはできない点にご注意ください

医療連携加算

障がい児の居宅を訪問して支援を行う場合にも算定可。

Ⅲについては、ICT機器を用いるなどして、認定特定行為業務従事者に喀痰吸引等にかかる指導を行った場合も算定可。

関係機関連携加算

従来からskype等を活用した対面以外の会議の実施も妨げられていません。

保育・教育等移行支援加算

電話による30日以内の支援での報酬算定は不可

ただし、居宅を訪問して相談援助を行った場合は算定可

看護職員加配加算、栄養士配置加算、特別支援加算、強度行動障害児支援加算

算定要件の対象となる資格者がいなくても

  1. 他職員が支援を行う
  2. 当該資格者が確認をする
  3. 当該資格者が指示を行う

ことによって、報酬の算定ができます。

延長支援加算

事前の加算届は柔軟な取り扱いにより省略できますが、従来の8時間ルールなどは継続されます。

延長支援加算の算定方法と導入メリット考察

個別支援計画未作成減算

2月以降に、新型コロナウイルス感染症の対応のため、作成が困難な児童がいるために減算要件にあてはまっても適用はされません。

それ以前から減算が続いていた場合は、解消されるまで減算が続きます。

自己評価等未公表減算

1月以前から減算が続いている場合は、解消されるまで減算が続きます。

2月以降で新型コロナウイルス感染症への対応のため自己評価が困難な場合は本減算を算定しないものとされています。

ポイントを押さえていますか?自己評価結果等未公表減算の回避策

 

訪問支援特別加算と保育等移行支援加算の請求事務における留意点

訪問支援特別加算

提供実績記録票のサービス提供日について、備考欄に訪問支援特別加算の算定要件を満たす相談援助の開始時間および終了時間を入力すること

保育・教育等移行支援加算

移行日と移行後算定日を30日より離れた日付で算定すること

 

★「できる限りの支援」の具体例

以下の条件を満たす支援を提供する必要があります。

  1. 新型コロナウイルス感染症を予防するための欠席希望であること
  2. 事業所が居宅に訪問すること、もしくは電話等の方法によること
  3. 児童の健康管理、相談支援など可能な範囲での支援すること

以上の点について市町村が認めること。

具体的なサービス内容としては以下のものが想定されます。

  1. 自宅で問題が生じてないかどうかの確認
  2. 児童の健康管理
  3. 普段の通所ではできない、保護者や児童との個別的やり取りの実施
  4. 現在の状況が落ち着き次第、スムーズに通所再開できるようなサポート

 

なお、在宅での支援が必要なケースについては以下の資料に詳細が定められています。

○代替サービスの提供による報酬請求について

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/326516.pdf

  • 都道府県、保健所を設置する市または特別区からの休業要請を受けて休業している場合
  • サービス事業所の設置地域で感染が確認されており、スタッフや利用者に感染するおそれがあるなど、事業所での支援を避けることがやむを得ないと市町村が判断する場合
  • 利用者が新型コロナウイルスに感染することをおそれて、事業所を欠席する場合

 

私見1)在宅支援の実施について

市町村の断りなく、独断で行った場合、内容いかんによっては返金対象となる可能性もあるため、必ず一度市町村に相談することをお薦めします。

私見2)所要時間について

明確な規定はありませんが、単なる欠席連絡程度では支援と認められない可能性があります。支援内容、所要時間の根拠等は求められた場合に合理的に説明できるようにしておくことが望ましいです。

音声や動画などは、録音、録画によって支援の様子を記録しておくことで、適切な指導を行ったことの証明にもなります。

 

代替的支援について、メールやLINEなどのアプリケーションを使うこともできる

原則として、居宅への訪問や電話によることが望ましいです。

ただし、児童を祖父母にあずかってもらい、保護者が出勤している場合など、保護者の事情により電話対応が困難で、メールによる連絡を望む場合は報酬請求の対象として認められる余地があります。

適切な支援と認められるケースです

  • 自宅で問題が生じてないかの確認
  • 健康管理
  • 普段の通所ではできない、保護者や児童との個別やりとりの実施
  • 状況が落ち着いたのちスムーズに通所を再開できるようなサポート

 

適切な支援と認められないケースです

  • 同一の内容をメールで利用者に送信する
  • 個別にメールを送ったあと保護者から応答がなく、そのまま状況の把握を行わなかった場合

 

メール等によるやりとりは日をまたぐ場合は、メールの開始日で算定する

日をまたいで返信があっても、1日分の報酬として算定します。

メール等による支援の報酬算定日は、支援を行った最初の日となります。

私見)

支援の提供を行った場合、あらかじめ画面を印刷もしくはスクリーンショットで画面を保存することをお薦めします

 

保育所等訪問支援における、コロナウイルス禍の対応いかん

従前から保育所等訪問支援を実施している児童に限り、居宅等によって健康管理や相談支援などのできるかぎりの支援を提供を行った場合も、報酬を請求することができます。

 

放デイにおいて、通常の支援ではなく居宅訪問型児童発達支援の実績として報酬を請求することはできるか

居宅訪問型児童発達支援の指定を受けていなければ不可。

(なお、市町村については対象児童側からサービスの要望があった場合には、柔軟な支給決定などの配慮が要請されています。)

 

熱があるなどやむを得ない場合は受け入れ拒否も可能

新型コロナウイルス感染症のおそれがある児童については受け入れを断ることができます。

  • 風邪の症状
  • 37.5度以上の発熱
  • 強い倦怠感
  • 呼吸困難 等

これらの場合以外でも、児童の安全や支援の質の担保が十分に確保できないと事業所が判断する場合は、やむを得ず受け入れ拒否することもあり得ます。

 

まとめ

柔軟な取り扱いによる事業運営が認められるものの、要件が整っていないものとしてあとから返金処分を受けるような事態は避けなければなりません。

特に在宅での支援については、市町村にあらかじめ内容を相談のうえ提供することを強くお薦めいたします。

本項について分かったことがあれば、随時追記していきます。

 

参考

新型コロナウイルス感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した
放課後等デイサービスに係るQ&Aについて(3 月 24 日版)

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/330326.pdf

放課後等デイサービスQ&A(2020 年 4 月 13 日版)

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/331292.pdf

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