弊所へご相談いただく際に、特に多く聞くことが「①儲かるから、と勧められた」「②もともとフランチャイズ・コンサルタントに依頼をしていたが、何もしてくれなかった」というものです(本当に多いです)。
「①儲かる」の根拠を聞くと、たいてい以下のパターンに着地します。
- 需要があるから、今ならとりあえず開業すれば儲かる
- 助成金で儲けることができる
- 穴場の事業だから儲かる 等
ここで必ず確認して頂きたいのは「儲かる根拠」です。
「利用者の具体的な確保の仕方」「何人契約して、月何回利用することで、その売上を達成できるか」「どのような助成金で、具体的にどのような条件を踏めば入金されるのか」「その障害福祉事業で、それだけの利用が見込めるのか」などの点は抑えて頂きたいです。
どの事業を選択するにしても、目標数字を設定したうえで必死に頑張らなければ事業を軌道に載せることはできません。
儲かることを強調する業者様には、必ずその根拠を納得いくまで聞いてください。
「②何もしてくれない」は、判断が難しいです
- お金を払ったはいいけど、本当に何もしてくれない
- 茶飲み話に来るばかりで、事業の発展に効果があると感じられない
- 高額な費用を払っているが、何をしているかよく分からない
- アドバイスはしてくれるけど、作業はしてくれない
- 作業はしてくれるけど、物足りない
様々なパターンが考えられます、
お金を払ったのに、本当に何もしてくれないパターンの場合は悪質な詐欺でしかないので、今すぐ返金請求をしてください。
(何かと理由をつけて何もしてくれない、連絡がとれないパターンも同義です)
茶飲み話ばかりで何もしてくれない場合は、毎月のコンサル料(?)ほしさにずるずると居座るだけの悪質な業者なので解約してください。
ただし、何をしているか分からない場合は、何をしてるか聞くしかありません。
ちゃんと役割をこなしている方であれば分かりやすく回答してくれます。
聞いてもよく分からないことを言ってるな、と思った場合は何もしていないと思って頂いて構いません。
「作業」の場合は難しいです。コンサルタントの役割は「事業をスムーズに進めるための全体の指揮・支援」がメインですので「毎月の作業にルーティーンで組み込む」ことを期待するのであれば、それは「事務作業代行業者様」の役割です。
事務作業代行を行うコンサルタントの場合は、そのコンサルタントがいなくなったときには、その業務を出来る人がいなくなり、事業が回らなくなります。
特にタチの悪いコンサルタントの場合は、あえて複雑な業務システムを導入して自分しか使えないようにすることで、いつまでも事業所に居座ろうとすることもあります。
したがって弊所は「コンサルタントが作業の下請け業務を行う」ことはコンサルタントの本筋から外れるものと考えます。
弊所が提供する価値は「事業者様がご自身で運営基準を理解して、書面を活用しながら、スタッフの協力のもと事業を持続的に成長させるようになるための仕組み作り」です。
最終的に行政への確認、運営書類作成は事業所様主体で行える状態にまでなっていただくことが1つの到達点とみております。
もちろん弊所が持ってるひな形は全てお渡ししておりますし、必要なものがあれば適宜追加、作成のお手伝いもしております。
しかしそれがメインの業務か、というと少し異なってくる、ということです。
次にフランチャイズ会社について触れます。
個人的には「障害福祉事業とフランチャイズは親和性が低い」と考えています。
障害福祉事業は毎月の売上の上限が決まっているため、ロイヤリティが発生しようものならかなり厳しい事業運営を強いられるためです(永続的なロイヤリティの場合、かなり危険)
またコンビニなどと異なり、ブランドの認知度も低いです。
「グループホームや放課後等デイサービスの大手ブランド」と言われてピンと来ますか?
もし「知っているよ」という方も、その事業所について、保護者や利用者、相談支援所の方も同じように知っていると感じますか?
「なんとなく大手・全国展開の会社だから安心そうだ」という印象は持ってくれるかもしれませんが、その「なんとなく」の効果を得るために数百万円の投資をする価値はありそうですか?
フランチャイズ会社様選択の基準としては
- 明確な集客ノウハウが確立しており、かつ再限度が高いこと(開業すれば人が来る、は幻想)
- 提供療育内容の専門性が高く、かつ再限度が高いこと(専門性が高くても、自社で実行できなければ意味がない)
この2点を満たしているならば、検討の余地がありそうです。
ちなみに、個人的には日本全体の統計のお話で煙に巻くのもあまり好ましいことだと考えておりません。
それはあくまでマクロ「日本全体での傾向」であり、ミクロ(開業予定地に即した内容)ではないからです。
(発達障害児の数は全国的に増えているかもしれないが、開業予定地でのニーズは不明、など)
特に小規模事業所の場合は利用者の目標獲得数も明確です。
それであれば相談支援所様のお困りごとをしっかりとヒアリングする、見学者様に自社の価値を伝える努力をするだとか、自社の魅力を自社の言葉で情報発信し続けるほうが効果はあります。
つまり、おおまかな方針としてはマクロの指針も役立つかもしれませんが、開業地域内でどのように戦っていくか?という点に主眼をおいて、営業活動を考える必要があります。
したがって、マクロの話ばかり書いていて、具体的な地域展開について触れていないフランチャイズ会社様の場合も、納得いくまで説明を受ける必要がありそうです。
地域戦略を考える際にきちんと市の統計から“アタリ”を付けて動かれる起業者様もおられますが、統計を活用するならこういった方法によるものしかないと考えます。
開業支援のフランチャイズ、コンサル会社はたくさんあります。
どこを利用するにしても、おいしそうな話を鵜呑みにせず、納得いくまで説明を受けてください。
「許可、運営基準のことは難しくて分からないから…」といって思考停止することだけは止めましょう。
ちゃんとした事業者様であれば、新規参入予定者の方に向けても業務の進行手順や売上の根拠を分かりやすく説明してくれます(そうであって欲しいという願望も込めて)。
どの障害福祉事業を選択するにしても、御社にとって重要な新規事業立ち上げ計画となります。
コンサルタントやフランチャイズに丸投げするのではなくて、あくまで計画・意思決定の主体は事業者様ご自身であるべきだと考えます。
僭越ながら、自分への戒めも込めて記事としました。
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