共同生活援助(グループホーム)の許可基準は複雑です。
これから開業・起業を予定する方は、あくまで開業支援業者(弊所含む)の掲げる試算シミュレートは参考として留め、許可基準・報酬体系等を理解したうえで起業することをお薦めします。
今回は情報公開や他社様からの情報提供等に基づいた、グループホーム開業支援業者に依頼した場合の失敗事例と弊所見解について記述してみました。
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開業前に知っておきたい グループホーム設立失敗事例
開業後に物件の許可基準を満たしていないことが発覚して許可取り消し
そもそも許可基準を満たす物件でなければ開業することはできません。
本件においては
- 指定申請の段階で必要な面積基準を満たさないまま開業した
- 市街化調整区域など、本来なら開業できない立地で所定の手続きを経ず申請をとおした
などの違反が行われたものと推測されます。
たしかに建物構造によっては面積ギリギリになることもあるうえ、グループホームは要件に合う物件を探すのも一苦労です。
ただし明らかに許可基準を満たさない物件で虚偽申請を行うと、このようなことになります。
試算シミュレートをしてもらったものの、全くそのとおりにならずに収支悪化
試算で提示された資料が
- 障害の度合いが重く、未経験者では特にリスクの高い入居者像で収支設計がされていた
- 多店舗展開しなければ実現できないような収支設計がされていた
- 訪問看護や就労事業など、未経験者が取り組むにはハードルの高い事業設計が前提だった
ことなどによって、事業をやればやるほど赤字になるような設計になることもあります。
この点を打破するためには、
- 入居者像の再設定(支援スキルや設備を整えて、採算の合う入居者の受け入れを行う)
- 複数施設の運営(要許可基準を満たす物件)
- 親和性の高い事業の組み入れ(ショートステイ、居宅介護等)
- 業界や地域の実情の分かるスタッフの採用
などを慎重に検討する必要があります。
許可基準・報酬体系もグループホームはやや複雑で難しいですが、しっかりと理解してご自身で判断できるようになる必用があります。
数百万円単位で加盟金を支払ったものの音信不通
- 開業支援業者に報酬を前払いで振り込んだものの、一向に連絡がこないまま数カ月が経った
という例もしばしば耳にします。
なかなか開業支援業者の評判なども得られにくい業界ですが、
- 実際に加入している施設にそれとなく聞いてみる
- インターネットで「会社名+評判」などで調べてみる
ことによって、何かトラブルがないか聞いてみることをお薦めします。
もちろん、根も葉もない私怨や風評が書かれている可能性もあります。
だからこそ、実際のユーザーの声やセミナーを受けて質問をしてみるなどして、面倒くさがらずにリアルな情報収集に努めることをお薦めします。
【仮説】一概に開業支援業者側が悪いわけではない可能性も
開業支援におけるトラブルについて、一方的にコンサル・フランチャイズ会社が悪いとも言えないかもしれません。
- 完全に支援業者に丸投げで、自分ではほぼ何もしようとしなかった
- アドバイスを受けても実践していなかった
- 業者が提供できるサービスと求める支援がかみ合ってなかった
- 同業者等による風評被害
の可能性もありえるからです。
開業前に知っておきたい グループホーム設立失敗事例のまとめ
総合的に支援してくれるコンサル・フランチャイズ会社はとても魅力的に見えます。
まっとうにやっている会社様が圧倒的多数かとは思いますが、間違った船に乗ってしまわないためにも、
- 実際にセミナーを受けて質問をしてみる
- 実際のユーザーの声を聴いてみる
などして、一次情報を集めることをお薦めします。
なお、弊所は実際に事業を経営している訳ではないので運営よりも法務支援・他社事例に基づいた仮説提案を中心とした開業支援が中心です。
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