就労移行支援

移行準備支援体制加算の算定方法

はじめに「移行準備支援体制加算」

前年度において、施設外支援の実績が一定程度ある事業所において、職場実習や求職活動について職員が同行して支援を行った場合に算定します

当解説の対象者

  • 施設外支援に積極的に取り組んでいる就労移行支援事業者様
  • 経営者様や事業責任者、管理者、サービス管理責任者様など、御社における施設外支援または加算関係のご担当者様
  • これから就労移行支援の開設を検討している事業者様

受講のメリット

  • 移行準備支援体制加算の導入、運用方法について理解することができます

 

報酬額の例

41単位/回

企業等で実習等を行う利用者数に応じて、一日につき所定単位を加算します。

計算例)

  • 1日あたり:実習等利用者数5名×41単位×地域10円=2050円/1日
  • 1人5日実施の場合:2,050円×5日=10,250円/合計

※実務においては、施設外支援の実施回数によって報酬額の増減が発生します。

 

算定要件

前年度に施設外支援を実施した利用者の数が利用定員の50%を超えていた事業所において、後述するいずれかの支援を提供した場合に算定できる加算です。

注意点

実際の加算の算定対象となる利用者は利用定員の50%以下に抑える必要があります

例) 20名定員の就労移行支援事業所の場合

①実習等を行う利用者:9名(定員の50%以下)の場合

全利用者が加算の対象となります

②実習等を行う利用者:11人の場合

10名(定員の50%以下)までが加算の対象となります

ただし上記のような例の場合には、複数の職員による対応が必要となることから 現実的には利用定員の50%を超えるような対応は少ないものと解されています

(厚生労働省,平成24年度QandA問82-3)

施設外支援の対象1:職場実習等

同一の企業および官公庁等における1クールの施設外支援が1ヶ月を超えない期間において、当該期間中に職員が同行して支援を行うこと

実習の具体例は

「職場実習等」と判定されるのは、以下のケースです。

  • 企業および官公庁等における職場実習
  • そのための事前面接、期間中の状況確認
  • 実習先開拓のための職場訪問、職場見学
  • その他、 職場実習において必要と考えられる支援

 

施設外支援の対象2:求職活動等

公共職業安定所、地域障害者就業センター、または障害者就業・生活支援センターに職員が同行して支援を行った場合

求職活動の具体例は

「求職活動等」と判定されるのは、以下のケースです。

  • ハローワークでの求職活動
  • 地域障害者職業センターによる職業評価等
  • 障害者就業・生活支援センターへの登録等
  • その他必要な支援

 

いずれの具体例についても職員が同行または職員のみで活動を行った場合に算定すること。

「職員の同行」が要件であるため、利用者単独での活動は、加算として評価されない点にご注意ください。

 

加算の様式

届出様式は行政によって異なりますが、およそ以下のとおりです。

前年度実績をもとに、施設外支援(職場実習または休職活動)の活動記録を○で記載します。

前年度の途中で定員変更した場合は、 12ヶ月の延べ定員数÷12を前年度の定員数とします(12ヶ月平均で定員数を算出し直す)。

よくあるご質問

「施設外支援:年間180日以内 / 移行準備支援体制加算: 施設外支援が1ヶ月を超えない期間」この違いは何か?

180日以内、とは

施設外支援としての基本報酬の算定対象期間を指します。

同一企業でも複数の企業でも 企業における実習の年間合計日数が180日を超えなければ基本報酬が算定できます。

1ヶ月を超えない、とは

同一企業での実習等が、1ヶ月を超えない場合に加算の算定対象となります。

なお、 職員が企業等に同行し加算の対象となるケースは 例えば「施設外支援=2週間で完了」の企業等における実習の場合、

  • 企業等での事前の打ち合わせ
  • 実習初日の付き添い同行
  • 中間の確認
  • 実習最終日の企業側からの評価の報告確認など

を指します。

施設外支援について、一般的な実施期間としては4~5日程度と想定されていますが、個別のケースで異なるものとされています。

 

移行準備支援体制加算のまとめ

前年度において、定員の50%を超える利用者が施設外支援(職場実習または求職活動)を行っている事業者様において、算定余地のある加算です。

  • 実際の利用においては、定員の50%以下までが加算の算定対象となること
  • 施設外支援→主に求職活動または実習が対象となること
  • 利用者単独での行動は加算の評価対象外であること
  • 届出が必要となること

が主なポイントとなります。

当解説が御社事業運営の参考になれば幸いです

参考資料

中央法規,障がい者総合支援法事業者ハンドブック2021「報酬編」p.502

ウェルネットなごや(移行準備支援体制加算届出)

https://www.kaigo-wel.city.nagoya.jp/view/wel/provider/specification/kasan_todoke.html

厚生労働省,平成24年度QandA問82-3 他

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/dl/qa1-19.pdf

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