放課後等デイサービス・児童発達支援

【放デイ・児発】看護職員加配加算の取り方・適用条件とは

「看護師を採用できそうなんですが、看護職員配置加算の対象になりますか?」というご質問をしばしば頂くことがありました。

ハンドブックを見ると思いのほか算定要件がシビアで分かりにくいので、ひも解いてみました。

なお、看護職員については通常の放課後等デイサービス施設においては「その他の指導員」として人員基準としては評価されない現状にあるのでご注意ください。

ただし、必要な経験年数、研修要件を満たしていればサビ管・児発菅になれる可能性があります。

抑えておきたい資格者要件はそれぞれ下記の記事にまとめているのでご参考ください。

 

看護職員配置加算の取り方・適用条件とは

看護職員配置加算

看護師などの配置に加えて、医療的ケア児の受け入れ体制を構築する必要があります。

  • 通常の放課後等デイサービス
  • 重症心身障害児型放デイ

それぞれで条件が変わります。

本項では10名定員放デイを想定して記述します。

看護職員加配加算

一定の基準を満たす医療的ケア児を受け入れるための体制を確保し、医療的ケア児やその家族の状況及びニーズに応じて、地域において必要な支援を受けることができるよう看護職員の加配を行っている場合に、事業所の区分、人員体制、定員数等に応じて加算

 

看護職員加配加算Ⅰの算定条件

加算額

  • 放課後等デイサービス 200単位/回
  • 重症心身障がい児放デイ:400単位/回

 

ア:放課後等デイサービス施設

  1. 人員基準に加えて看護職員を常勤換算で1名以上配置すること
  2. 医療的ケアにおける判定スコア項目のうちいずれかに当てはまる障害児が1名以上であること
  3. 届出を行うこと

 

イ:重症心身障害児型放デイにおいて、

  1. 人員基準に加えて看護職員を常勤換算で1名以上配置すること
  2. 医療的ケアにおける判定スコアで8点以上の障害児の数が5名以上であること
  3. 届出を行うこと

ウ:WAMネットなどでの情報公開

医療的ケアが必要な必用な障害児に対する支援ができる旨をインターネットで公表すること

 

看護職員加配加算Ⅱ

加算額

  • 放課後等デイサービス 400単位/回
  • 重症心身障がい児放デイ:800単位/回

 

ア:放課後等デイサービス施設において

  1. 人員基準に加えて看護職員を常勤換算で2名以上配置すること
  2. 医療的ケアにおける判定スコア項目で8点以上の児童が5名以上いること
  3. 届出を行うこと

 

イ:重症心身障害児型放デイにおいて、

  1. 人員基準に加えて看護職員を常勤換算で2名以上配置すること
  2. 医療的ケアにおける判定スコアで8点以上の障害児の数が9名以上であること
  3. 届出を行うこと

 

ウ:WAMネットなどでの情報公開

医療的ケアが必要な必用な障害児に対する支援ができる旨をインターネットで公表すること

 

看護職員加配加算Ⅲ

加算額

  • 放課後等デイサービス 600単位/回

 

ア:放課後等デイサービス施設において

  1. 人員基準に加えて看護職員を常勤換算で3名以上配置すること
  2. 医療的ケアにおける判定スコア項目で8点以上の児童が9名以上いること
  3. 届出を行うこと

 

イ:WAMネットなどでの情報公開

医療的ケアが必要な必用な障害児に対する支援ができる旨をインターネットで公表すること

 

判定スコアとは

以下の項目に当てはまるごとに加点していくことで、区分を判定していきます。

1 レスピレーター管理:8
2 気管内挿管、気管切開:8
3 鼻咽頭エアウェイ:5
4 O2吸入又はspO2 90%以下の状態が10%以上:5
5 1回/時間以上の頻度の吸引:8 / 6回/日以上の頻度の吸引:3
6 ネブライザー6回/日以上または継続使用:3
7 IVH:8
8 経管(経鼻・胃ろうを含む):5
9 腸ろう・腸管栄養:8
10 接続注入ポンプ使用(腸ろう・腸管栄養時):3
11 継続する透析(腹膜かん流を含む):8
12 定期導尿3回/日以上:5
13 人工肛門:5

 

 

障がい児の数の算定方法

算定方法1

加算導入の前年度の延べ利用人数により判定する

算定方法2

  • 判定スコアのいずれかに該当する児童
  • 医療的ケアに関する協定スコアで8点以上の児童 について

当該年度の前年度の延べ人数を前年度の開所日数で割った数により判定する

算定方法3

児発と放デイの多機能の場合は、医療的ケアが必要な障害児については合算して算定する

算定方法4

〇新築増改築の場合

前年度1年未満の開所実績しかない場合

〇3カ月未満

新設または増改築のときから届出提出のときまでの契約者数のうち、医療的ケアの必要な児童の数

〇3カ月~1年未満

新設または増改築のときから3月までの間における医療的ケアが必要な児童の延べ利用人数を3カ月間の開所日数で割った数

〇新設または増改築のときから1年以上経過している場合

直近1年間における医療的ケアが必要な障害児の延べ利用人数を1年間の開所日数で割った数

事業所の定員数を減少する場合

減少後の実績が3カ月以上あるときは、減少後3カ月における医療的ケアが必要な障害児の延べ利用人数を3カ月の開所日数で割った数

 

その他の運用ポイント

医療的ケア児以外も算定可

通常の児童についても、加算の対象になります(2019年事業者ハンドブック 報酬編p.1271)

 

医療的ケア児が欠席しても常勤換算に含められる

ただし、前年度の延べ利用人数の算出時には、欠席した日を除外します(同上)。

 

看護職員配置加算のまとめ

通常の放課後等デイサービスにおいて算定するためには一定数に医療的ケアの必要な児童がいる必要があります。

加算をとることが目的化してはいけませんが、

  • 看護師などの採用
  • 医療的ケア児の受け入れ

の可能性がある事業所は、是非検討してみましょう。

 

参考資料

豊中市 看護職員加配加算の創設についてhttps://www.city.toyonaka.osaka.jp/kosodate/hattatusien/info_sienjigyosyo/kaiseinaiyou.files/b2.pdf#search=’%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E8%81%B7%E5%93%A1%E5%8A%A0%E9%85%8D%E5%8A%A0%E7%AE%97′

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