就労継続支援A型

就労継続支援A型 届出の作成フロー

はじめに「就労継続支援A型の届出作成フロー」

令和3年度の報酬改定により、やや運用が複雑になりました。

しかし、抑えるべきポイントを抑えれば、構成そのものは比較的シンプルです。

ここでは、毎年度必須となる届出の基本的なポイントについて解説いたします。

目標

  • 新年度の届出に必要なポイントを抑えること
  • 自社でもある程度、点数評価できるようになること
  • スコア表の基本的なポイントを抑えられること

ご了承事

  • 行政によって、必要な書類、詳細な審査基準は異なる場合があります
  • 届出しか提出不要なエリアでも、必ず当解説で触れている業務そのものは、整備必須な点にご注意ください

完成させるべき書類

届出にあたっては、以下の書類を完成させる必要があります。

 

参考:就労継続支援A型に係る基本報酬の算定区分に関する届出書

 

参考:就労継続支援A型事業所におけるスコア表(全体)

 

参考:就労継続支援A型事業所におけるスコア表(実績Ⅰ~Ⅳ)

スコア表に記載する点数の裏付けとなる、記録資料です。

基本報酬の算定に係る実務

○前提「開設1~2年目の事業所」

  • 新年度に指定を受けた事業所 → 当該年後は80~105点の報酬区分で、基本報酬を算定すること
  • 年度途中で指定を受けた事業所 → 初年度および2年度目は、評価点80点以上105点未満の場合とみなして、基本報酬を設定すること
  • 点数の詳細は、行政の様式を入力すると、自動で算出されます。
  • 点数ごとの報酬額は、以下のとおりです。

 

参考:20名定員のA型事業所の基本報酬一覧

 

Ⅰ:平均労働時間の算定

  • 「延べ労働時間数÷延べ利用者数(月の総利用回数)」によって算出します
  • 利用者の労働時間は、賃金台帳などと一致すること
  • 休憩や面談など、もし賃金の発生していない時間帯があれば、労働時間に含むことはできない
  • 逆に、休憩や面談などの時間帯でも、事業所の方針として賃金が発生するなら、労働時間に含むことができる
  • 延べ利用者数は、雇用契約を締結して、実際に賃金を支払った利用者のみ計算すること
  • 利用開始時には予見できない理由で1日4時間未満労働となった場合、年間90日を限度として、延べ労働時間、利用者数から除外できる(ただし、事前の届出が必要となる)

 

参考:就労継続支援A型に係る労働時間区分に関する届出書

○参考:平均労働時間の詳細

上記の根拠書類を、以下に反映させます。

 

 

Ⅱ:生産活動の収支状況を確認します

  • 御社の経理・会計担当者または顧問税理士などに依頼して生産活動の状況を確認します。
  • 前年度、前々年度ともに生産活動収支のみで利用者に賃金が払えているか? / 払えた年度はあるか? / 払えなかったか?をもとに点数が確定されます

 

参考:就労継続支援A型に係る生産活動に関する確認書

 

参考:生産活動に関する詳細

上記の根拠書類を、以下に反映させます。

 

Ⅲ:多様な働き方

A型利用者の働き方について、多様な働き方を認めて、実践している場合に点数で評価されます。

以下のうち、任意の5項目を選択して、定めの有無 / 前年度の実績の有無を記入します。

 

主なポイントは、以下のとおりです。

  • 利用者の就業規則等によって、以下に定めるような制度があるかどうか
  • 前年度において、1名以上該当する利用者がおり、根拠となる記録書類が備わっているかどうか
  • 資格取得は、あくまで就労に関係するものであり、単なる趣味・教養的な資格などは認められない可能性があることに注意すること

 

参考:多様な働き方

上記で選択した任意5項目の、取り組みの詳細を記載します。

参考:多様な働き方の詳細

 

Ⅳ:支援力向上

A型支援員について、支援力向上のための取り組みを、一定の回数以上行ったかどうかで、判定します。

以下のうち、任意の5項目を選択して、定めの有無 / 前年度の実績の有無等を記入します。

 

主なポイントは、以下のとおりです。

  • 内外研修については、記録書類(研修記録 / 研修修了証 / 受講証明書等)が保管されているか
  • 研修については、管理者、事務員などを除いた、サビ管、支援員の半数以上が参加できたかどうか
  • その他の取り組みについても、適切に活動記録が保管されているか

 

参考:支援力向上

上記で選択した任意5項目の、取り組みの詳細を記載します。

参考:支援力向上の詳細

Ⅴ:地域連携活動

主なポイントは

  • 地域の事業者と連携した付加価値の高い商品開発を行うこと または
  • 企業や官公庁などでの 生産活動と地域社会と連携した活動を行うこと
  • 取り組み結果をインターネット等(原則として、WAMネットまたは自社ホームページ)で公表すること
  • 前年度において、1事例以上あるかどうか

によって、評価されます。

 

参考:地域連携活動

取り組みの詳細を記載します。

 

これらを行政の様式に入力すると、A型全体のスコアが算定されるようになります。

 

まとめ「就労継続支援A型の届出作成フロー」

基本的には、

  • 前年度等において、所定の活動を行い
  • その根拠資料が備わっているかどうか
  • 条件に沿った運用ができているかどうか

がポイントとなります。

 

新年度からの体制を整備して、基本報酬の向上を目指す参考になれば幸いです。

 

参考資料)

名古屋市 加算等の届出について

https://www.kaigo-wel.city.nagoya.jp/view/wel/provider/specification/kasan_todoke.html#itiran

中央法規 障がい者総合支援法事業者ハンドブック2021「報酬編,就労継続支援A型」

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