処遇改善加算

処遇改善加算実績報告で抑えるべきポイントについて解説しました

処遇改善加算の実績報告で抑えるべき実務ポイント

実績報告の目的は「処遇改善計画の実施結果を報告すること」

処遇改善加算を、計画を踏まえて使い切ったことを指定権者に報告するために行います。

具体的には、給与明細等をもとに「今年度の賃金改善総額>今年度の処遇改善加算の見込み金額」となっていれば支給要件クリアです。

指定権者に対して、計画年度の翌年7月末までに「処遇改善加算実績報告届」を一式提出することになります。

(特定処遇改善加算についても、考え方はおおよそ同じであるため合わせて説明します。)

 

支給金額に関する具体例

  1. 今年度の処遇改善加算年間見込額:300万円
  2. 今年度の賃金改善総額:1,400万円
  3. 処遇改善加算導入前の年度の年間賃金総額:1,000万円
  4. 今年度の賃金改善額:400万円(今年度1,400万円ー導入前1,000万円)

この場合なら、「処遇改善加算を300万円もらって、スタッフに400万円分の給料上乗せを行ったため、要件を満たしている」ことになります。

 

「処遇改善のお知らせ」を用意する

まず法人としていくら入金されたかの把握を行いますために、対象事業所・対象期間分の「処遇改善加算のお知らせ」をご用意ください。

例:2019年4月~2020年3月までの1年分など

 

参考:処遇改善加算のお知らせの取得

電子請求受付システムより取得することができます。

・電子請求受付システム > ログイン > 照会一覧

「処遇改善加算総額のお知らせ」見本例

 

賃金明細書の作成

処遇改善計画にもとづいてどれだけ賃金改善を行えたか、内訳を作成します。

できるだけ正確に実績報告を行うためにも、処遇改善の対象スタッフもそうでないスタッフも記入することが望ましいです。

 

補足:特定処遇改善加算は「1年分の勤務形態一覧表」も必要

常勤換算でスタッフの人数を算出することになるため、勤務形態一覧表も添付をお願いします。

(できれば官公庁様式による)

できれば、経験・技能のある福祉人材に該当するスタッフについては、マーカーを引くなどして「誰が、どの累計か」を示すと分かりやすいです。

  • 経験・技能のある障害福祉人材(児発菅や10年相当の経験者等)
  • 一般の障害福祉人材(通常の指導員)
  • その他の人材(いれば。送迎ドライバーや事務員等)

 

参考画像:特定処遇改善加算の記載様式

 

参考画像:勤務形態一覧表

 

勤務形態一覧表の記載方法の基本的なポイントは、以下の記事にて解説していますので、ご参考ください。

【全事業者向け】勤務形態一覧表の書き方と基本的なルール実地指導や加算作成のときに必ず求められる行政書式です。 毎月末にタイムカードなどとは別に「勤務実績一覧表」を作成することが望ましい...

 

外注する場合のポイント

行政書士や社労士に業務を外注する場合は、以下のポイントを押さえていただくとスムーズに連携できます。

添付書類

以下の書類をご用意ください。

郵送もしくはpdfデータなどで送付いただければ、送付書類にもとづいてヒアリング、お見積り作成のうえで業務に着手いたします。

(依頼を見送る場合は頂いたものは削除もしくは返還いたします)

  • 算定期間分の「処遇改善加算のお知らせ」
  • スタッフの賃金明細(賞与、手当なども分かるように)
  • 勤務形態一覧表(できれば官公庁様式)

※官公庁への提出は不要ですが、実地指導で提出を求められたときに提示できるよう事業所で保管してください

 

その他のポイント

正しく賃金明細書を作成するために、以下の職種は色分けしてお示しいただけると幸いです。

  • 管理者、児発菅についてはマーカーで示してください
  • 特定処遇改善加算を導入している事業者様は、対象となる職員についてもマーカーで色分けしてください
  • 賞与、手当など金額の大きい項目から計上したほうが効率的に作業を行えます
  • 集計した結果、本項目のみで処遇改善加算受給額を超えることも多いです

 

事業所規模や支給計画によって実績報告の難易度は変わる

以下の要素によって、実績報告をスムーズに完了できるかどうかは大きく異なります。

弊所の場合は業務受注時の見積もり要素としています。

  • 事業所数
  • 処遇改善加算額
  • いくら賃金改善を行ったか
  • 対象職員の数
  • 非常勤職員に対する処遇改善の実行有無
  • 法定福利費まで含んだ実績報告を行っているかどうか 等

 

よくあるご質問

提出が遅れた場合はどうなりますか

ただちに全額返金となる可能性は低いですが、提出の遅れた理由書を合わせて添付することになります。

また、官公庁に対する印象は良くないですので期限厳守で手続きを進めてください。

 

計画期間を「4月から3月」ではなく「5月から7月」などずらすことはできますか

事業者様や同業者の先生方の話を伺う限り、できる自治体のほうが多い印象です。

全てを網羅している訳ではないですので管轄エリアについて確認とることをお薦めします。

 

高齢者介護事業を行っていますが、一緒に実績報告を作成できますか

高齢者介護事業は、障害福祉事業と一緒に実績報告をまとめることができません。

別に実績報告を作成してください。

 

受け取った金額よりも支払った金額のほうが低かった場合はどうなりますか

まずは賃金明細を見直して、賃金改善にあたる項目がないか見直します。

それでも処遇改善加算を上回るだけの賃金改善が行えていなかった場合、臨時手当の支給などで対応します。

(自治体によっては臨時手当の支給とあわせて、市区町村に報告して理由書の提出まで求められることもあります)

支払った金額のほうが低いまま、対策をせずにしれっと届出を行うと、間違いなく審査段階で指摘を受けます。

指摘に対して対応できなければ処遇改善加算全額返金の恐れがありますし、不正受給だとみなされれば監査が入るリスクもあります。

 

まとめ

年間の処遇改善加算額を集計して、賃金明細一覧を作成することが処遇改善加算実績報告のポイントです。

7月末までの提出期限ではありますが、ある程度の作業量、時間が必要になりますので少しずつでも作業に着手することをお薦めします。

業務に関するお問い合わせもお受けしておりますのでお困りの方はご相談ください。

お問い合わせ@LIM(リム)行政書士事務所 いつも当ウェブサイトをご参考いただき誠にありがとうございます。 弊所では個別具体的なご相談も受けております。 以下い...

 

ABOUT ME
吉川彰太郎
名古屋を日本一の福祉事業エリアにするべく活動する行政書士です。複数の放デイで2年半管理者・指導員として事業の立ち上げや管理、支援業務全般に関わっていました。 現在は障害者福祉関連の事業者様の運営、経営支援を中心に活動しています。 ICT活用による業務効率化、法制度を活用した事業展開について考えることが好きです。 【取り扱い業務】障害福祉の指定申請/届出/実地指導/農地・土地開発/その他事業許可の取得等
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