グループホーム

【令和3年度報酬改定】共同生活援助、生活介護、相談支援事業所はどうなるか? 

「令和3年度の報酬改定について分からないので教えてください」というご質問を多く頂くため、現時点で分かっていることをまとめました。

特にお問合せの多い共同生活援助(グループホーム)、生活介護を中心に解説しています。

あくまで現時点での方針につき、変更・追加の可能性がある点をご了承ください。

 

【令和3年度報酬改定】共同生活援助、生活介護、相談支援事業所はどうなるか?

基本的な考え方

  1. 障がい者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行、地域生活の支援実現のために、重度化・高齢化に対応するための報酬見直しを行う。
  2. 障がい者が地域で安心して1人暮らしを続けられるよう、自立生活援助の整備促進を行う。
  3. 地域生活を支えるために整備を進めている地域生活支援拠点等の機能の充実を図る。
  4. 相談支援を担う人材育成と地域の体制整備による質の高い相談支援を提供するための報酬体系見直しを行う

 

グループホームはどうなる?

重度、高齢の障害者および強度行動障害者の受け入れ体制の整備が促進されていきます。

 

1.重度障害者支援加算の対象者拡充

重度障害者支援加算について、障害支援区分4以上の強度行動障害者も算定対象とされます。

また、医療的ケアが必要な入居者に対する評価も行われる予定です。

 

2.日中サービス支援型グループホーム等の報酬見直し

重度障害者の受け入れが進むように、重度者と中軽度者の報酬の差が見直されていきます。

(おそらく、重度者の受け入れに対する報酬増など)

また、介護サービス包括型、外部サービス利用型の基本報酬についても、重度障害者に配慮しつつ経営状況を踏まえた見直しが検討されています。

 

3.強度行動障害者の受け入れ促進のための体験利用評価

強度行動障害者の地域移行を実現するためにグループホームの体験利用を行う場合、

強度行動障害支援者養成研修、行動援護従業者養成研修の修了者を配置

することで報酬の評価がされます。

 

4.夜間支援体制加算の見直し

夜間支援業務の実態を踏まえたうえで、

  • 入居者の障害支援区分に応じたメリハリのある加算へ見直し
  • 住居ごとに常駐する夜勤職員に加えて、事業所単位で夜勤または宿直を配置し、複数の住居を巡回して支援を行う場合には、更なる評価

の検討がされています。

 

5.重度障害者の個人単位での居宅介護等の利用の継続

経過的措置とされていた、重度障害者に対する個人単位での居宅介護の利用についても、重度障害者のグループホーム受け入れ体制を確保するために、継続されます。

 

生活介護はどうなる?

1.重度障害者支援加算における強度行動障害を有する者に対する利用開始時の支援の評価見直しと算定要件拡充

  • 利用者の状態確認や環境変化に適応するためのアセスメント期間を一定程度見直し、
  • 加算算定期間の延長及び加算額の見直し

が行われます。

また、

  • 障がい者支援施設が実施する生活介護を通所で利用している方に対して支援計画を作成、
  • 当該計画に基づいて支援を行った場合

についても加算の算定ができるようになります。

 

2.重症心身障害者を支援している場合における評価

生活介護における重度障害者支援加算に「重症心身障害者を支援している場合」に算定可能となる加算区分を創設し、

人員配置体制加算と常勤看護職員等配置加算に上乗せする

形で評価されます。

 

3.常勤看護職員を手厚く配置し医療的ケアを必要とする障害者を支援している場合における新たな評価

生活介護における常勤看護職員等配置加算に

  • 「常勤看護職員を3人以上配置」し、
  • 医療的ケアを必要とする障害者を一定数以上受け入れている場合に

算定可能となる区分を創設されます。

 

相談支援はどうなる?

1.基本報酬及び特定事業所加算の見直し

現行の特定事業所加算を踏まえたうえで、段階別の基本報酬にするなどの見直しが行われます。

令和3年3月末までとされていた特定事業所加算Ⅱ・Ⅳについては、基本報酬区分を設けることで実質的に継続します。

 

常勤専従職員の配置を促すために、

特定事業所加算Ⅳの

  • 「常勤専従の相談支援専門員を2名以上配置する」

という要件を緩和した、

  • 「2人のうち1人以上が常勤専従とすること」を要件とした基本報酬区分

を設けます。

 

2.従たる事業所の設置

複数事業所の協働による体制確保や質の向上に向けた取り組みを評価する観点から、

地域生活支援拠点等を構成する特定相談支援事業所全体で、

  • 人員配置要件や、24時間の連絡体制が確保されていることをもって

要件を満たすことを可能とするとともに、人材確保の困難性を踏まえて

  • 従たる事業所の設置

が認められるようになります。

 

主任相談支援専門員の配置については、見直し後のいずれの基本報酬区分いずれにおいても、

常勤専従の主任相談支援専門員を1人以上配置していることを別途評価し、

現行の特定事業所加算Ⅰにおける基本報酬区分の要件としては、主任相談支援専門員の配置は求められなくなります。

 

3.計画決定月及びモニタリング対象月以外における相談支援業務の評価

初回加算について、契約締結日を含む月以降、

  • サービス等利用計画案提出月までに一定期間要した場合で、かつ
  • 月2回以上の面接や同行等の対面による相談に応じた場合、

加算額の増額が検討されています。

 

4.モニタリング対象月以外での報酬評価

サービス利用中で、モニタリング対象月以外の月に一定の要件を満たす支援を行った場合に報酬上の評価がされます。

たとえば、サービスの利用調整に関連して、

  • 利用者の求めに応じ、自宅への訪問による面接を当該月に2回以上実施した場合
  • 利用者本人および障害福祉サービス事業者が参加するサービス担当者会議を開催した場合
  • 障害福祉サービス等の利用調整に関連して、病院、企業、幼稚園、地方自治体からの求めに応じて、各機関の参加するカンファレンス、会議に参加した場合 等

 

5.他機関への引継ぎの評価

サービス終了前後に、一定の要件に基づく他機関への繋ぎの支援を行った場合の報酬上の評価が行われます。

  • 介護保険の居宅介護支援事業者等への引継ぎに一定期間を要する者、または
  • 進学、就職等に伴ってサービス等の利用を終了する者であって、
  • 小中高校、特別支援学校、企業、障害者就業、生活支援センターとの引継ぎに一定期間を要する者に対して、以下いずれかの支援を行った場合

に、報酬上の評価を行う

  • 当該月に2回以上、自宅等を訪問することにより面談を実施
  • 他機関の招集する当該利用者に係る個別のケア会議に参加
  • 他機関との連携にあたり、連携機関の求める情報提供を書面による実施

する場合など

 

令和3年度 共同生活援助、生活介護、相談支援 報酬改定のまとめ

  • 共同生活援助、生活介護については重度障害者や強度行動障害者の受け入れ、支援の提供
  • 相談支援事業については一部基準緩和、報酬体系の見直し

がなされる予定です。

報酬改定があること自体、知らない事業者様も多いです。

よろしければ、お知り合いの事業者様に本記事もしくは以下厚労省資料があることを教えてあげてください。

 

本稿が貴社の事業運営の参考になれば幸いです。

 

参考資料

障害福祉サービス等報酬改定検討チーム 第23回 資料3(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000704861.pdf

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