グループホーム

【その他の日常生活費】利用者に請求できる実費はどこまでか?

「グループホームで、どこまで利用者の費用負担にできますか」という相談を頂きました。

「その他の日常生活費」という論点で、重要な考え方につき記事にしました。

 

利用者に請求できる実費はどこまでか?

その他の日常生活費の対象となる事業

グループホームの顧問先から頂いた質問ですが、以下の事業についても同じ考え方が使えます。

療養介護、生活介護、短期入所、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、共同生活援助、施設入所支援

 

その他の日常生活費とは

簡単にいえばサービス提供にあたって発生する費用の中で、利用者に負担してもらうのが妥当であると考えられるものです。

なお、サービスの提供に直接関係ない利用者のぜいたく品や嗜好品などは、その他の日常生活費と別の考え方になります。

障害福祉サービスにおいて提供されるサービスのうち「日常生活においても通常必用となるものに係る費用で、支給決定障害者に負担させることが適当と認められるもの」

 

その他の日常生活費の受領に係る基準

利用者から「その他の日常生活費」を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 「その他の日常生活費」と「提供している障害福祉サービス」で内容が重複しないこと
  2. あいまいな名目(お世話料、管理協力費、共益費、施設利用保証金 等)による費用の請求はできない
  3. 「その他の日常生活費」の受け取りは、利用者に十分な説明を行い、同意を得ること
  4. 「その他の日常生活費」の受け取りは実費相当額の範囲で行うこと
  5. 「その他の日常生活費」の内容と金額は運営規程に定めるとともに見えやすい場所に掲示すること
  6. の対象となる便宜およびその額は、事業者または施設の運営規程において定めなければならず、サービスの選択に資すると認められる重要事項として、当該事業者または施設の見やすい位置に掲載すること
  7. 「その他の日常生活費」は「実費」とのみ定めることもできる

 

その他の日常生活費の具体的な範囲

歯ブラシ、化粧品等の個人用の日用品等

利用者の希望によって、身の回り品として日常生活に必要なものを事業者または施設が提供する場合の費用などが当てはまります。

事業者や施設が全ての利用者から一律で費用を徴収することはできません。

 

クラブ活動やレクリエーションの材料費、入浴費用等

障害福祉サービスの提供の一環として実施する、教養娯楽費等として事業者や施設が提供する場合の費用などが当てはまります。

ただし、このような教養娯楽費を、利用者の希望を踏まえずに一律で徴収することはできません。

〇)レクリエーションの参加費、材料費など
×)共有スペースに設置されたテレビやカラオケ設備の使用料の一律徴収など

 

送迎費用

利用者の希望によって行う送迎費用などが当てはまります。

ただし送迎加算を算定している場合には、燃料費等の実費が送迎加算の額を超える場合に限ります。

 

その他の日常生活費と区別するべき費用

グループホームや入所施設などでは出納管理事務(利用者の預貯金等の管理)の発生が想定されます。

出納管理された預貯金などから費用を徴収するときに気を付けるべきポイントは以下のとおりです。

  1. 責任者および補助者が選定されること
  2. 印鑑と通帳が別々に保管されていること
  3. 複数のスタッフで常に出納管理を行える体制をとること
  4. 利用者との保管依頼書(契約書)、個人別出納台帳を揃えていること

 

出納管理に関する費用

出納管理事務については費用を定めることができます。

ただし、積算根拠を明確にした適切な額にするよう定められています。

したがって、預り金の額の〇%のような設定方法は認められません。

 

利用者に金銭の支払いを求める場合の考え方

提供する障害福祉サービスと同じような費用については徴収できず、あらかじめ文書による説明・同意を得ておかなければなりません。

  1. 介護給付費と内容が同じようなものは、利用者から徴収できない
  2. 介護給付費に含まれない費用については、利用者から金銭を徴収できる
  3. 利用者から費用を徴収できるのは、使い道が当該利用者にとって直接的なメリットのあるもので、本人に費用の支払いを求めることが妥当なもののみ
  4. 金銭の支払いを求める理由を書面によって明らかにしたうえで、利用者の同意を得ること

 

その他の日常生活費に関するまとめ

サービスの提供にあたって、利用者から受け取るのが望ましい費用について注意するべきポイントを解説しました。

  • 提供サービスと同じような内容の費用
  • 本人の希望がないうえで、一律徴収するような費用
  • 使いみちが明確でなく、あいまいな費用

などは、利用者からの徴収ができません。

あくまで、

  • 本人の希望にもとづくものであること
  • 直接本人にとって利便があること
  • 実費相当額の費用であること

などを守る必要があります。

具体的な事例はケースバイケースであり、各自治体によって解釈が異なる可能性があるため、必ず徴収前に行政の確認をとることをお薦めします。

 

参考資料

平成18年12月6日 厚生労働省 障発第1206002号「障害福祉サービス等における日常生活に要する費用の取り扱いについて」

事業者ハンドブック2019「指定基準編,p.595」

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