指定申請

指定申請:物件の探し方と許可条件の確認手順

ここでは物件の探し方および注意点、許可条件を満たすための確認ポイントについて説明します。

申請に関する役所への問い合わせについては「メールのみ」「電話可」「事前説明会に参加した事業者のみ受け付け」など様々です。

※本稿に記載する内容は、あくまで総論である点をあらかじめご容赦ください。

 

STEP1.許可基準の確認

ハンドブックと自治体手引き、申請書類をもとに、物件に関して求められる条件を洗い出してください。

詳細は、予定する障がい福祉サービスによって異なります。

※許可基準を満たす物件でなければ、どれだけ良い物件であっても許可は取れません。

  • 定員あたりの㎡数
  • 必要な部屋(事務室、訓練室など)
  • 設備の詳細(自治体によって細かく規定されることもあります)
  • 守るべき関係法(申請書類、手引きから確認。主に都市計画法、建築基準法、消防法、総量規制の有無、風営法エリアとの位置関係など)
  • 必要な作業(大家へのあいさつなど、求められることもあります)

守るべき関係法、事前手順については役所に確認するのが最も確実です。

ただし、どこになんの書類があるか、何が書いてあるかすら確認せずに問い合わせるのは、担当官の心象を悪くするため止めましょう。

 

 

STEP2.エリアに“あたり”をつける

許可のために必要な要素をリストアップしたうえで、エリア選定を行います。

たとえば地縁、人脈、競合状況、福祉施設状況、家賃相場などから、いくつかのエリアをピックアップします。

(障がい福祉計画、市町村計画まで確認できると。事業内容に反映できる情報が得られるかもしれません)

補足

統計分析や市場調査を好まれる事業者様も、最終的には「気に入った物件が見つかったからここで頑張ります!」と直感的に決められることが多いです。もちろん、直感的判断に至るまでの判断材料として、統計分析、市場調査があるのだと考えます。

 

STEP3.許可条件に当てはまる物件を探す

最も難航しがちなポイントです。

少なくとも、良い物件が見つかった場合は事前に市街化調整区域の該当非該当だけは確認してください。

グーグル、ヤフー検索で「建物住所 + 市街化調整区域」です。

市街化調整区域

市街化調整区域に当てはまる場合は、物件を購入しなければならないため、大幅な工程増、費用増が発生するからです。

調整エリアに該当するかどうかの確認がとれなければ、都市開発課に問い合わせてください。

※物件サイトによっては市街化調整区域の該当・非該当を記載しているところもあるようです。

 

不動産管理会社との連携

良い物件が見つからない場合、不動産管理会社の担当者様さえ協力して頂けるのであれば、条件をリストアップして、代わりに探して頂けるケースもあります。

もちろん相手も他業務があるため、アテにし過ぎるのは止めましょう。

また、建築士や設計事務所、内装業者との連携していれば、内装や消防設備の点検も早く進むため、必要な事業者様と提携しているか確認してみてください。

 

候補不動産において、確認するべき書類

  • 平面図(面積について、対応していなければ内寸で記載し直してください)
  • 検査済み証
  • 建築確認済み証
  • 防火対象物使用開始届 等

 

物件探しが難航する

物件探しが難航するパターンで最も多いのが“良い条件がない”ことです。

自分の中で譲れない条件を明確にしたうえで、候補物件エリアの立地調査を行えば、突破口が開けるかもしれません。

 

STEP4.関係法を確認する

以下の法律、事項について手続きの要否を確認してください。

自治体ごとに様々な取り決めがあるため、事前に必要事項を手引きで確認しておきましょう。

候補物件が見つかってから確認するのでは、思わぬ落とし穴が見つかる可能性があります。

必要な手続きは指定申請月末までに完了してください。遅れた場合は、申請月が1ヶ月遅れる可能性もあります。

 

  • 都市計画法 ⇒ 市街化調整区域に該当しないかどうかの確認(該当する地域は、自己所有物件でなければ原則開業不可)
  • 建築基準法 ⇒ 耐震基準、用途変更手続きの有無等の確認(建築士、設計事務所など)
  • 消防法 ⇒ 消防計画、消防設備(内装業者等のもと確認)
  • その他 ⇒ 事前に役所手引き等によって確認してください

※問い合わせ日時、担当者名、照会内容、回答は必ずメモを残してください

 

STEP5.契約完了

賃貸借契約を結びます。購入の場合は売買契約を結びます。

可能であれば「許可が得られない、許可条件を満たさなかった場合の、契約白紙撤回条項」を定めることを推奨します。

売買契約の場合は、建物の登記簿謄本を取得するまでが1つの工程です。

 

「日付が記入されていない」「必要な箇所に押印されていない」ということがあります。

2度手間になることを防ぐため、必ず押印、日付等のモレがないことを確認してください。

 

契約書に記載するべき、建物の用途

障害福祉サービス、障害児通所支援事業、などと記載。

 

STEP6.内装工事着手

指定申請月までに完了してください。

のちの工程である施設内外の写真撮影、その前段階での必要設備の配置を行うことを考えると申請月中旬までには完了させてください。

申請月をまたいだ多少の遅延を認める地域もありますが、当てが外れたときが手痛いので、必ず指定申請月末までには完了できるよう、工程を管理してください。

写真撮影

デザインまで綺麗に仕上がっている必要はなく「最低限の受入れ体制が整っており」「工事中の形跡がないように綺麗に片付けた状態」で撮影してください

  • 許可基準上必要な部屋や階段など、危険が想定されそうな箇所を中心に写真を撮影してください
  • 電話機、ファックス、プリンター、鍵付き書庫など、イス、机など、許可基準、運営上必須な物品は全て写真におさめてください

設備一覧

設備一覧表に記載した数と同じだけきちんと設備が備え付けられているかチェックされます。

写真撮影と同じタイミングで許可・運営上必要な物品の個数を数えてください

 

防火対象物使用開始届

内装業者様などに依頼して、必要な設備を配置したうえで消防局から防火衣対物使用開始届を発行してもらってください。

※ご自身で消防局の指示を仰いで発行してもらうこともできます。

 

STEP7.指定申請に必要な書類

手元にある書類

ここまでの工程をこなすと、申請に必要な以下の書類が手元に入ります(例)

  • 平面図
  • 施設内外写真
  • 設備一覧表
  • 検査済み証
  • 防火対象物使用開始届
  • 建築確認済み証
  • 賃貸借契約書 or 建物登記簿謄本

 

以上の書類を、指定申請月から遅くとも申請月末に揃えて、申請書類とともに提出します。

必要な書類は、原本証明をして提出してください。

・押印作業のまとめ

 

補足:行政書士に相談する意義と価値

「ただ条件に当てはめるだけじゃん」と思われる方は多いと思います。

ただ条件に当てはめるだけですが、これだけの工程がかかります。

行政書士に頼まず、独力で申請される方は多いです。

依頼をするかどうかは人それぞれですが。この際に注意するべき点は、「この人は無知だ」と思った方には、どれだけ強く想いをもった人相手でも役所はドライに接してくることがある、ということです。

同じ役所でも、担当が変わるとチェックポイント、言ってる内容が変わることもあります。

不動産関係の事業者様に手伝ってもらおうにも、福祉事業の手続きについて詳しい方はマレです。

 

この点、障がい福祉事業を専門としている行政書士であれば、ドライな担当官とでも前向きな協議・交渉を重ねたり、事業者様方との連携を踏まえた円滑な工程の策定を組み立てることができます。

腰を据えたお付き合いになることが多いため、善意だけで最後までサポートしきるのは不可能です。

それでも、申請が不安な方や要件確認の手間を省いて事業策定に専念したい方は、信頼できる行政書士に相談してみてください。

 

補足

聞いたほうが手っ取り早い!とお考えの方は、以下のページをご確認ください。

・物件の要件確認方法(note)

 

 

 

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