制度解説

自力で障害福祉事業を開きたい方が見落としがちな注意点9つ

「自分で申請書類を作りたいけど、何に気をつけたら良いのか」という相談を受けることがあります。商売柄自らの首を締めることになりかねませんが、解説してみました。

書類提出で見落としがちな注意点

開業地域によって書類の提出先が異なる場合がある

県庁障害福祉課に電話で問い合わせをすれば担当窓口を教えてくれますので、確認してみるといいでしょう。

  1. 愛知県の市町村の場合 ⇒ 愛知県庁 健康福祉部 健康福祉課 事業所・地域生活支援グループ
  2. 名古屋市内の場合 ⇒ 名古屋市子ども青少年局子育て支援部子ども福祉課(放デイ)、障害福祉課(障害者総合支援法)
  3. 豊田市の場合 ⇒ 豊田市市民福祉部障がい福祉課
  4. 豊橋市の場合 ⇒ 豊橋市役所 福祉部障害福祉課

このように、同じ県内であっても開業予定の地域によっては申請先が全く異なることもあります。

開業予定月の2ヶ月前までに書類を受理してもらう

各担当窓口にもよりますが、一般的には開業したい月の2ヶ月前までに書類を受理してもらう必要があります。

例.4月1日に開業したい場合

2月末日までに必要な要件を揃えたうえで書類を受理してもらう ⇒ 3月中に事業所番号が交付される ⇒ 4月1日にオープン

地域によっては書類を持ちこむ前に事前相談を求めることもあります。

そこで開業予定の物件が問題ないか、要件を満たした人員がちゃんといるか等を確認します。

【注意】

ここのところ、窓口がかなり混雑しており、初見の相談は後回しにされる傾向にあります。

特により多くのエリアを担当しなければならない県庁にこの傾向が見られます。

開業予定月3ヶ月前の時点から、相談協議、指定申請を行うことをお薦めします。

 

期日ギリギリに書類を持っていくのは止める

月末に滑り込みで「申請書類を作ったから受け取ってください!」と言っても、ほぼ断られます。

1発目の指定申請で完璧な書類を作成し、収取書類も不備なく全て揃え、さらに窓口担当者から見て不明点もないレベルの書類を提出することはほぼ不可能からです。

月末には、当月期限の申請案件で立て込んでいるため、それらの窓口対応が優先的に行われています。

 

担当者によって言うことが変わることもある

スケジュールによっては、書類受付担当者が変わることもあります。

ダブルチェックをするために担当者を変える意図もあります。

前回の担当者が見落としていた新たな不備が見つかったり、間違ったことを言われる可能性もあります。

ムッとした気持ちになるかもしれませんが、書類受理後の審査時に「不許可です」と言われるよりはマシなので、前向きな気持ちで受け止めましょう。

 

「書類が受理された」だけでは許可がもらえるか分からない

申請書類の不備がなくなった段階で、ようやく書類の提出を受け付けてもらえます。

これを「申請書類が受理された」といいます。

この段階では「絶対に許可が下りると決まった訳ではありません。

窓口担当者から見て「まあ大丈夫だろうと判断してもらえたに過ぎない」からです。

受理された書類が本当に問題がないか、内部審査をしたうえで現地確認を行い、問題なければ晴れて事業所番号が交付されます。

事業番号は法人住所あてに郵送書類で送られます。

 

行政によって、要件に対する考え方が若干違う

  1. 法人格を有すること
  2. 人員配置基準を満たすこと
  3. 設備基準を満たすこと
  4. 運営基準を満たすこと

福祉事業を開業するためには、上記要件をクリアする必要があります。

開業予定の自治体によって要件の捉え方が異なったり、より細かな規則があるケースもあります。

 

「他で大丈夫って聞いたのに!」は通用しない

「他では大丈夫って聞いたのに、なんでここではダメなんだ!?」といって、窓口の担当者と揉めるケースも聞きます。

そのように言いたくなる気持ちは分かりますが、窓口の担当者も基準に沿って判断しているだけなため、いくら言ってもどうにもなりません。

またインターネットに書いてある情報も、そのまま鵜呑みにせず、必ずご自身の自治体の取扱について市に確認するよう心掛けましょう。

(もちろんこのサイトも含めです。正しい情報を提供できるよう、もっと勉強します)

 

開業のための要件は申請者自身も理解しておいたほうが望ましい

担当者が配属されたばかりで、業務知識が少ないケースもあります。

こうした職員が書類チェックを行った際は、本当は大丈夫なはずのことまでダメだと言われる可能性もあります。

もちろん、マイナーな基準をもとに指定申請を受ける際も、必ず窓口担当者がその基準を知っているとも限りません。

ご自身でもある程度は基準のことを理解したうえで、申請に臨みましょう。

また、たとえ相手が配属されたばかりの職員だといって、威圧的な態度をとったり舐めた態度をとらないようにしましょう。

相手は毎日のように指定申請を受けるので、半年もすれば高度な知識・ノウハウまで習得します。

開業後も定期的に関わっていくことになるため、真摯かつ誠実な対応を心掛けましょう。

 

書類作成は、修正が大変

書類は作成することよりも、修正作業のほうが大変です。

時間をかけて書類を見直さないと、指摘したことを修正しきれずムダに訪問回数が増えることになります。

担当官も書類不備を指摘して、メモを残してくれますが、あっさりした内容なため、後から見返すと何をしたらいいのか分からないということもよくあります。

指定申請時には必ず自分でもメモを控え、不明な点があれば最後にまとめて質問をして次回申請に活かしましょう。

書類作成の時点では、できるたけ書面を印刷して、不備がないか目視確認することをお薦めします。

 

行政書士に頼んでも、経営者同席を求められる傾向にある

これまでは会社代表自身が窓口に行かずとも、行政書士に申請書類の作成・提出を代行することができました。

しかし運営基準を理解しないまま事業を行う会社が多く存在することを行政が問題視して「経営者も運営基準を理解しているか」確認する自治体が増えてきました。

行政書士に業務を依頼した場合であっても、経営者ご自身が同席することもあり得ますので、あらかじめご了承ください。

 

まとめ

申請書類を提出するにあたって抑えておきたい期日の話とそれに伴う注意事項について説明しました。

事前知識を持たない方が書類を作成する場合には平均して5~6回ほど窓口での面談・書類チェックが必要となります。

中には8回以上の出直しを求められたり、きつい言葉を投げかけられる、月をまたいでしまった結果、開業予定月が1ヶ月遅れた、というjケースもあります。

こうした事態を避けるためにも、必ず申請にあたっては「いつまでに何が必要で、何をすればいいのか?」を行政が交付しているガイドラインや手引書で確認しましょう。

ABOUT ME
吉川彰太郎
名古屋を日本一の福祉事業エリアにするべく活動する行政書士です。複数の放デイで2年半管理者・指導員として事業の立ち上げや管理、支援業務全般に関わっていました。 現在は障害者福祉関連の事業者様の運営、経営支援を中心に活動しています。 ICT活用による業務効率化、法制度を活用した事業展開について考えることが好きです。 【取り扱い業務】障害福祉の指定申請/届出/実地指導/農地・土地開発/その他事業許可の取得等
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