制度解説

物件選びで絶対に抑えたいポイントとは

外観、内装が良いというだけで賃貸物件選びを行うと、思わぬ出費、開業月の遅れが発生する可能性があります。

※30年9月9日追記

物件の目途が立っている方は、以下の記事をご参考ください

・物件に関する許可条件確認手順

 

※30年9月21日追記

自治体によって取扱いが異なることがあります(児童発達支援・放課後等デイサービス)

法規定に基づいた、各自治体の解釈の確認をサポートすることもできますので、「指定申請」よりお問い合わせください。

・お問い合わせ

 

物件探しの前に絶対に確認するべきこと

提供サービスに必要な設備基準の把握

以下のように設備基準が定められています。

障がい福祉サービスごと、もっといえば指定自治体ごとに詳細な条件が設定されています。

訓練・作業室 ①障害児通所支援:定員数×1人3㎡以上

②障害福祉サービス:定員数×1人2㎡以上

③作業や訓練に必要な療育器具を配置すること

相談室 ①4人程度が使用できるスペースを確保する

②パーテーションで区切るなどしてプライバシーを確保する

洗面所・便所 利用者の特性に応じたものであること
多目的室 ①障害福祉サービス:1人2㎡以上

②作業や訓練の用に供すことはできない

事務スペース ①事務作業を行うための充分なスペースの確保

②鍵付きの書庫など、備品を設置するだけのスペースの確保

③多目的室内に設置可能(その代わり多目的室の有効面積が減る点に注意)

 

提供サービスに必要な設備の基準を抑えたら、実際に物件を探します。

良い物件が見つかった際は、仮契約の段階で図面をもとに部屋割りを考えて、障害福祉課に事前相談することをお薦めします。

 

次は地域選定における注意点を説明します。

開業予定地の用途地域について

良い物件が見つかった場合、用途地域の確認は必ず行ってください。

候補物件が「市街化調整区域」内に建てられている場合、開業のハードルが上がるからです。

市街化調整区域では、基本的に、自己所有の建物以外で事業を行うことができません。

どうしても開業したい場合は

  1. 物件を購入する
  2. 施設を新築する

いずれの場合も「都市計画法上の許可」が必要になります。

建築士等が担当しますが、その分の時間と費用がかかります(規模にもよりますが通常1ヶ月程度)。

物件を本契約する前に必ず所在地の都市計画課等に用途地域の確認をしましょう。

「住居系」「工業系」「商業系」など様々な種類がありますが、本記事では割愛致します。

「物件の所在地は障がい福祉サービスを開業できるか?」と問い合わせで、問題ないか確認をとってください。

不動産会社から取得する平面図に記載されていれば、それを役所に伝えてください。

 

(補足)

用途地域は下記のページから確認できます。

しかし自分で判断するにはややリスクが高いです。

良い物件が見つかった場合は、開業予定地を担当する都市計画課に問い合わせたほうが確実でしょう。

全国の用途地域(用途地域マップ)

 

愛知県のように申請書類上で都市計画課の連絡先、確認時の担当者、日付」の記録が求められることもあります。

確認記録は必ず控えておきましょう。

 

物件の面積が100㎡を超える場合

用途変更手続きの要否を確認してください。

購入/賃借予定の物件の使用面積が100㎡を超えており、かつ「※建築基準法19条に該当する児童福祉施設等」として活用する場合、「用途変更手続き」が必要になります。

 

※追記 30年8月31日

質問をいただきましたので、上記の根拠となるpdf資料を添付します。ここで記載するものはあくまで一般論ですので、個別の事情にあわせて確認する場合は必ず地域の建築士や設計事務所に確認してください。

常に地域性を念頭において確認作業を進めることが重要です。

・総則(愛知県)

・新潟県(細かいです)

 

 

※就労継続支援、就労移行支援、生活介護等が該当します。

役所に確認する前に、以下の点を把握しておくとスムーズです。

  1. 提供予定の障がい福祉サービスと根拠法令※
  2. 事業予定地の用途地域
  3. 施設の床面積
  4. 建物の構造概要が分かる書類(確認申請書のコピーなど)

※就労系、生活介護、自立訓練 ⇒ 障害者総合支援法5条1項。
(放課後等デイサービス、児童発達支援は児童福祉法だが建築基準法19条、児童福祉法第7条に非該当なため用途変更手続きは不要。ただし、「体裁として」確認作業自体は必要です。)

用途変更が必要な理由

建物を建てる際には「開発行為許可」申請をします。

「住居」や「飲食店」を建てるために役所に申請したにも関わらず、障害福祉サービスを提供するのでは、建物を建てた目的がウソになります。

したがって、開業予定の事業者が、整合性ととるために手続きをしなければなりません。

本手続きを建築士等に頼む場合はその分時間と費用がかかります(規模にもよりますが通常1ヶ月程度)。

 

用途変更手続きを行う際の注意点

手続きにあたっては「建築確認済み証」、「検査済み証」が必要となります。

不動産管理会社に問い合わせてください。

もし持ってない場合は建築指導課に問い合わせて「確認済み証明書」を取得しましょう。

「そもそも完了検査すらやっていない場合」は、証明書を発行できないうえ、当時の内容に基づいて

完了検査を行わなければならないので、非常に手間がかかります。

したがって「児童福祉施設等」に該当するサービスを開業予定であり、かつ室内面積が100㎡を超えている物件は、

必ず「建築確認申請、完了検査まで済んでいる物件か」不動産管理会社に確認してください。

※用途変更が不要な物件であっても、建築基準法の遵守は必要です。

 

愛知県の場合は申請書類上で「用途変更の有無を、いつ、どの課の誰に確認をとったか」を記載しなけばなりません。

連絡先、確認時の担当者、日付は控えておきましょう。

本記事における注意点

  1. 障害福祉課,都市計画課,建築指導課について ⇒ 各市町村ごとに申請担当課の名称が異なる可能性があります
  2. 自治体によって更に細かな設備の規定があるケースもあります。
  3. 申請時は必ずご自身で申請担当庁に確認をしてください。
  4. 建築基準法と消防法の兼ね合いによっては、追加追加手続きが発生することもあります

まとめ

  1. 物件を探す前に、開業予定のサービスに必要な設備を把握すること
  2. 物件契約前に、市街化調整区域に該当しないか、開業予定地の都市計画課に確認すること
  3. 100㎡を超える物件の場合は用途変更の確認申請が必要。建築指導課に確認すること
    (生活介護、就労系サービスなど。100㎡を超えない場合は手続き不要)
  4. 各課へ問い合わせる際には日時、担当者、連絡先を控えること
  5. 用途変更が必要な物件を契約する前には、建築確認済み証や検査済み証があるか不動産管理会社に確認すること(100㎡を超えていても、児童発達支援、放課後等デイサービスの場合は不要)

以上です。物件を選ぶ際の参考になれば幸いです。

物件探しの際のチェックシートを作成しました。よろしければご活用ください。

物件探しの注意点(pdf)

 

補足

聞いたほうが手っ取り早い!とお考えの方は、以下のページをご確認ください。

・物件の要件確認方法(note)

ABOUT ME
吉川彰太郎
障害福祉施設の開業、運営コンサルティングに特化した行政書士です。 障害児者やその家族の人生を支えるべく、事業所がより質の高いサービスを提供できるよう様々な情報発信を行います。

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