指定申請

【申請書類の書きかた】開業遅延の回避策

申請書類の中身があまりにも不出来だと、担当官から「もう1回状況を整理して、翌月出してくれませんか?」と言われます。

待たせているご利用者様や、勤務予定のスタッフ、空家賃の発生につながるため、なるべくこのような展開は避けましょう。

 

開業遅延の回避策

空家賃・空人件費をできる限り抑えるために

開業にてこずると余計な費用がかかります。

「6カ月~8カ月程度かかってようやく指定が降りた」という例もあるので以下のポイントは抑えておきましょう。

1.設備基準を十分に理解しておく

許可基準上必要な㎡数、備品類を行政手引きをもとにしっかりと押さえることです。

特に、広さの規定や部屋割りがあいまいなままだと、担当官の指導は厳しくなります。

必ず平面図をもとに、どこが指定基準上のどのような部屋で、内寸はいくらなのか?を明確にして申請に臨みましょう。

また、都市計画法や建築基準法、消防法上必要な事項もあらかじめ確認して、基準上大きな問題がなかったことをあらかじめ伝えておくことで、申請はスムーズに進みます。

 

2.人員配置は抜かりなく

申請サービスごとに、人員配置はさまざまですが「とりあえず人を並べておきました」くらいのシフト配置では、担当官からの印象は悪くなります。

管理者、サビ管、基準上の資格者など要職者の経歴書、できれば資格証や実務経験証をあらかじめ用意しておいてください。

「開業月に、予定どおり職員が配置されていればOK」であるため、空人件費が気になる方は、開業月から勤務開始するものとして、雇用契約を締結するといいでしょう。

私見:オープン1カ月前には勤務を開始して、職員研修や広報活動に取り組んだほうがいいと考えます

雇用契約書についても、できればひながたを持参することで、申請要件上、あらかじめ不足事項がないかをチェックいただくこともできます。

 

3.運営規程を用意しておく

営業時間やサービス提供時間、事業内容など、申請の根幹にかかわる事項です。

事前協議の段階でおおよそ作成しておくことで、打ち合わせがスムーズに進みます。

 

 

よりスムーズに申請を進めるための小技

1.事業者ハンドブックを持参する

付せんが貼ってあったり、マーカーが引いてあるなどして、しっかり勉強した形跡があれば、担当官も申請に協力的になってくれます。

東京都などは特に「申請者が、自分自身でしっかり勉強をしてきたかどうか」という点まで見てきます。

 

2.事業計画書を作成しておく

東京や広島、名古屋市など、提出が義務付けられている地域もあります。

「とりあえず許可条件を揃えれば許可おりるんでしょ」という考えの事業者様を排除するために、事業内容(収支計画、支援内容)までかなり細かくみられることもあります。

創業、銀行融資、補助金などとも共通部分は兼用できますので、事業を成功させるためにも、可能な限り事業計画を作っておくことをお薦めします。

 

3.申請書類一式を用意して、もっていく

役所は、かなりタイトなスケジュールで動いています。

ほぼ未整備な状態で訪れては「何しにきたんですか?」と言われます。

(あまりに何も準備していないまま、申請枠を確保するためだけの「仮協議」を行った結果、担当者からキツく怒られた、という事業者様の相談を受けたこともあります)

せめてもの誠意として、可能なかぎり未記入だったり、分からなかった箇所は付せんやマーカー、覚書などをしてどこまでできているのか?を明確にしておきましょう。

 

行政書士に頼むなら早めに

申請月上旬から中旬で書類が未整備だと、このような指導をうける可能性が高まります。

しかし、行政書士を間にいれると、最終週いっぱいまで取り合ってくれるようになることもあります。

このためにはいくつかの条件があります。

 

1.「書類にポチポチ入力するだけ」が仕事ではない

「書類を文章に入力するだけ」が我々の仕事ではありません。

どのような物件を探し、スタッフを雇うべきか、事業内容はどのようにして、開業希望月に間に合わせるためにはどうしたらいいのか?

許可取得までの工程を管理、事業運営を見据えた助言を行いながら適切に許可を取得するためサポートをするのが我々の活用方法です。

 

 

2.なるべく加算報酬・運営実務にまで詳しい事務所に依頼すること

「うちはずっとお世話になっている行政書士がいるから、運営はバッチリです」といわれる事業所様でも、話を伺うと運営面で回避するべきリスクが回避できていなかったり、とるべき加算が取れていなかったりします。

申請書を拝見したところ、とれるべき加算が何1つとれていなかった、ということもあります。

「書類の書き方を教えてほしい」と相談を受けた先生の書類を見たところ、

「これなら〇〇加算がとれますよね。加算届もあわせて作ってあげたら、事業所様喜ぶと思いますよ」と助言したにも関わらず、

何かと文句を言われて加算届を作ってくれなかった、といったこともありました。

障害福祉事業の法制度はかなり複雑なうえ、解釈通知も頻繁に変わり、事業収益にも直結します。

広く浅く様々な分野を取り扱う事務所よりも、できれば障害福祉事業を専門として取り組んでいる行政書士事務所に依頼することをお薦めします。

 

まとめ

手引きをしっかりと読み込み、自治体独自の許可基準を十分に勉強してきたという姿勢を見せられれば、役所のかたも協力的な態度をとっていただけます。

逆に「何も分からないから…」といってほぼ未整備・不勉強な状態のまま書類をもっていくと、かなり厳しい指導が入ります。

申請書類作成の参考になれば幸いです。

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