新規事業

事業展開前に抑えていただきたい、内部崩壊のリスクについて

2012年4月の児童福祉法改正に伴い、始った放課後等デイサービス事業。

弊所がこの業界に関わり始めたのが2015年1月頃のことで、

当時は(うちを筆頭に)レベルの低い事業所が多く、地域間競争もかなり楽な状況でした。

「事業所を構えておけば人が来る」時代だったので、放課後等デイサービスバブルの発想のまま、新規事業を起すのはかなりの困難を伴います。

 

事業所の経営方針としては

  1. とりあえず現状維持
  2. ヨコ展開(放デイの増設)
  3. タテ展開(児童発達支援、相談支援所、就労、グループホームなど)
  4. 新規事業の立ち上げ(飲食店、託児所など自費事業)

に分類されます。

相談を受けると、ほぼ上記4つの集約されるため、きっと同じように考えられている社長は多いかと思います。

 

ここで気をつけなければならないのが、タテ展開にせよ、ヨコ展開にせよ「保護者から求められたから」「子どもたちが大きくなってきたからそろそろ」など、“なんとなく”な理由で新しい事業を始めると、苦戦する可能性が高いということです。

なぜなら既存店舗がバタバタしたまま次の施設を立ち上げても、同じようにバタバタした事業所が増えるだけだからです。

特に、

  • 個別支援計画作成フローが整備されておらず、特定スタッフの頑張りに依存した残業体制が出来上がっている
  • スタッフの支援スキルがまばらで、利用者さんに対する充分なサービスが提供できない
  • 管理者やサビ管 / 児発管まで総出で現場に出払って、開業準備に投与できる人員がいない
  • マーケティング、営業のできるスタッフがいない
  • 法手続きが分かるスタッフがいない

などがバタバタ事業所にありがちな例です。

 

この状態のまま、無理やり事業を立ち上げると「今の施設から無理やり優秀なスタッフを引き抜くことで、既存店舗が人手不足になる」「リサーチ不足で、充分に事業内容を練られずスタートダッシュが遅れる」という事態が起こります。

開設時点で多い失敗例として「当初は順調に利用者さんが集まったかと思いきや、ある時点で問い合わせがパタっと止まってしまう」ということが挙げられます。

これは「ただ単に1店舗目の利用者さんが、流れ込んできただけだった」「最初のご祝儀相場で、問い合わせ件数が増えただけだった」ということが背景にあります。

新しく事業を立ち上げるときに「うちはまだそんな余裕はない」「新しい施設に人をいれるなら、うちに配置してくれ」など「現場からの反対の声」が上がって事業が進まないケースもありますが、こういう話を聞くたびに「やっぱり現場の人たちが一番、事業のことを分かってるのかもしれないな」と思います。

これは事業所の内部体制が十分に整っていない状況のまま、無理に施設を立ち上げようとすると発生する現象だからです。

1、2施設の事業規模であれば、社長の目が行き届くためなんとかなるかもしれませんが、4施設以上ポートフォリオを組んで事業展開していくには、この点を抑えておかないと、組織が内部から崩壊していく危険性があります。

だから新規事業を立ち上げる前にはまず、現在の施設が無理なく回るような仕組みを作り、その仕組みを活かして次施設の立ち上げを行うことをお薦めします。

それからでも遅くありません。

 

 

ABOUT ME
吉川彰太郎
名古屋を日本一の福祉事業エリアにするべく活動する行政書士です。複数の放デイで2年半管理者・指導員として事業の立ち上げや管理、支援業務全般に関わっていました。 現在は障害者福祉関連の事業者様の運営、経営支援を中心に活動しています。 ICT活用による業務効率化、法制度を活用した事業展開について考えることが好きです。 【取り扱い業務】障害福祉の指定申請/届出/実地指導/農地・土地開発/その他事業許可の取得等
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